なぜ 成長する大企業は、自社研究所よりスタートアップを買うのか――そして、天才たちが“バイアウトのために人生を賭ける時代”が始まった
2025年12月7日
1. かつて大企業は「内製R&D」で世界を獲っていた 20世紀の産業競争において、勝敗を決めていたのは自社研究所だった。 製薬:新薬は自社ラボで生む 化学:新素材は自前で開発 電機:新デバイスは社内研究所発 大企業=研究機関であり、 研究テーマを決めるのも、予算を持つのも、すべて企業側だった。 この時代、研究者のキャリアのゴールは明確だった。 「論文 → 評価 → 昇
日本のスタートアップを静かに蝕む “ベンチャーデット依存” の構造
2025年11月27日
── EXITの小ささ、リビングデッド化、そして国内市場という天井について 最近、りそな銀行が「ベンチャーデットを3年間で1,000億円まで増やす」と発表した。ニュースだけ読むと「銀行がスタートアップを応援してくれるのは良いことだ」と感じるかもしれない。実際、資金調達の選択肢が増えるのは素直にありがたい。 ただ、これをもう少し引いて見ると、別の景色が見えてくる。 なぜ今、日本でベンチャーデッ
AIでは大企業よりも小さなチームが有利
2025年11月6日
はじめに ChatGPT の登場から数年。AIは文章生成だけでなく、リサーチ・設計・企画・資料化・動画・音声・プロトタイプ作成まで担う“実務エンジン”になりました。ここまで来ると、AI革命は「個人や中小企業が便利になる」という話で終わりません。 仕組み化し、サービス化し、無限にスケールできる企業が、丸ごと市場を取りに行ける時代になったということです。 AIは多方向に進化し続ける AI(LL
AIが「人件費の構造」を変える時代、プログラマー起業家が狙うべき市場
2025年10月13日
AIが真に置き換えるのは「職業」ではなく、「人件費の構造」である。つまり、人件費の比率が高く、マニュアル化しやすい領域から順にAI化が進む。 この構造変化は、単なる労働代替ではなく、巨大な新産業の再配置だ。プログラマーがスタートアップとして参入するなら、AIによる“人件費再編”を見抜くことが勝負を分ける。 1️⃣ 置き換えられるのは「人件費の比率が高い仕事」 AI導入の動機は単純だ。人件費
破壊的イノベーションは「異常」から始まる
2025年9月17日
「まずは顧客にヒアリングしよう」「カスタマージャーニーを描こう」── 新規事業やスタートアップの世界では、いまや常識となったアプローチです。 確かにそれは、既存顧客のニーズをよりよく満たす連続的(持続的)イノベーションにおいては有効です。しかし歴史を振り返ると、本当に世の中を変えたサービスは、顧客に聞いても決して生まれなかったのです。 「欲しいですか?」と聞かれても、誰も欲しいとは言わなかっ
ベンチャー起業と受託ビジネス
2025年9月11日
ベンチャーと受託 ― VCが本来果たすべき役割 以前、VCキャピタリストを名乗るTwitterアカウントが「ベンチャーも受託をやるべきだ」と発言しているのを見かけた。正直、それを読んで違和感を覚えた。なぜなら、本来VCは、受託ビジネスを推奨するどころか、むしろやめさせる立場にあるからだ。 ベンチャーとスモールビジネスの違い ベンチャーとは、まだ存在しない市場やサービスに挑み、急成長を目指す
なぜ契約は「起業家の知性」を問う試金石なのか
2025年4月14日
――創業時に“友情”で分けた株式が、企業の命運を左右する理由 日本ではビジネスにおける契約を、形式的な手続きや信頼関係の“代用品”と見る傾向がいまだ根強い。しかし、特にスタートアップのように「急成長か撤退か」が問われる環境では、契約の有無が事業の成否を左右することさえある。 契約とは「信頼の欠如」ではなく、「不測の事態」への備えである 契約を交わすという行為は、信頼していないからではない。
スタートアップと中小企業──「成長か、撤退か」の選択を迫られるベンチャーの本質
2025年4月14日
すべての企業が“スタートアップ”を目指すべきではない。成功の定義は、資金調達と成長スピードにより大きく異なる。 国内外で「スタートアップ熱」が高まっている。新たな技術、新たな価値観を背景に、起業の裾野が広がるのは歓迎すべき流れだ。しかし、スタートアップと中小企業の違いを理解せずに語られることも少なくない。とくに、「スタートアップ=ベンチャー=中小企業」という単純な認識は、起業家自身にも、投資家に
求む。クレイジーなギーク。
2025年4月11日
Singularity Societyは、テクノロジーギークによって立ち上げられた組織です。私たちはエンジニアにフォーカスしています。 優れたエンジニアは、新しい技術の本質を見抜き、それを使って未来を描くことができます。その未来は、10年後かもしれませんし、100年先かもしれません。 パーソナルコンピュータが登場したとき、インターネットが普及し始めたとき、ディープラーニングが実用化されたとき、そして生成AIが生まれたとき。 そ
Singularity Society BootCamp 2nd 最終発表会開催しました
2025年3月22日
Singularity Society BootCamp 2ndの最終発表会を開催。約1年間の挑戦でAI面接ツール、寿命推定アプリ、メタバース、AIラジオなど多様なプロジェクトが誕生。3チームが海外インキュベーション参加、1チームが資金調達を実現。起業だけでなく様々な目標を持つ参加者が完走し、成果を発表しました。BootCamp 3rdは4月募集開始予定。
コストコを超えるイノベーション!高品質・サプライズ価格なECの立ち上げ
2024年3月23日
Singularity SocietyのBootCampから始まった会員制ECプラットフォーム「Esper」のクラウドファンディング挑戦記。当初のSNS投稿支援AIから方向転換し、「仕入れ値+10%」の透明な価格設定と月額会員制により、粗悪品・不透明な価格・サクラレビューという既存EC課題の解決を目指すコストコ超えのイノベーション。収益モデルの転換で実現する新しい顧客体験を提案します。
起業のアンチパターン
2024年3月12日
スタートアップが陥りがちな失敗パターンを解説。ポール・グレアムの「18の誤り」に加え、共同経営者選び、製品投入タイミング、外部資金調達の責任、個人保証の危険性、リードVCの役割など、実践的なアンチパターンを紹介。ベンチャー企業の資金切れリスクと適切な対応方法を説明します。
起業時の会社の種類について
2024年2月10日
起業時に選択すべき会社形態について詳しく解説。ベンチャー起業(株式会社)、スモールビジネス(株式会社・合同会社)、ソーシャルアントレプレナー、NPO/非営利団体の4つのタイプを紹介。それぞれの特徴、資金調達方法、成長戦略の違いを説明し、目的に応じた適切な選択の重要性を解説します。
Product Managerについて
2023年9月10日
Singularity Societyにおけるプロダクトマネージャー(PM)の役割を解説。資料作成ではなく、動くデモの完成を最優先とし、エンジニアの生産性を最大化することがPMの使命。スケジュール管理、MVP機能の選別、チケット管理のベストプラクティス、QA手順書の作成など、プロジェクトを成功に導くPMの具体的な仕事内容を詳しく紹介しています。
Productについて
2023年9月10日
プロダクト開発におけるアイデアの価値とフィードバックの重要性を解説。アイデアだけでは価値がなく、実現することに価値があると強調。早く失敗し、客観的な数値で評価する重要性、真剣に使ってくれるユーザーの意見を重視すべき理由、条件付きで使うという人の意見は聞く必要がない理由など、プロダクト開発の本質的な考え方を紹介しています。