見えている株価バク上がりのシグナルに気づけ:Google、AWS、そしてGPUの時代

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2000年代前半:Google広告で個人も企業も変わった

2000年代初頭、Google AdSenseの登場で、個人がネット上で数万円の広告収入を得る時代がやってきた。ブロガーや個人サイト運営者は「うっほー!」と喜び、自宅のパソコンで稼げることに熱狂していた。だが一方で、企業はまったく別のスケールで動いていた。

数千万円、時にはAmazonのように億単位の広告費を投じ、トラフィックとブランドを買っていたのだ。同じ仕組みを使いながら、「個人の副収入」と「企業の戦略投資」では、桁が3~5つ違っていた。

2010年代中盤:AWSで節約?それとも散財?

AWS(Amazon Web Services)の登場により、個人開発者は「サーバを買わなくて済む」「安く始められる」と喜んだ。しかし、2010年代半ば、企業の現場では異なる現象が起きていた。スタートアップから大企業まで、**「無駄な構成で毎月数百万円〜数千万円」**ものAWS費用を払い続けていたのだ。

多くの企業はコストを削るよりも、「とにかくスケールを上げよう」とクラウド利用を拡大していった。同じ頃、報道では「AWSは投資をやめれば黒字化するが、未来の覇権のために赤字を恐れず攻めている」と繰り返し伝えられていた。

つまり、個人は節約のためにAWSを使い、企業は攻勢のためにAWSを使っていた。同じサービスでも、動機と規模がまったく違っていた。

サーバの設備投資はある時期までムーアの法則に従い、一定期間で性能が倍になりそれに伴いコストが下がるにも関わらず、AWSの費用はほぼ下がらないということもエンジニアなら理解していたはずだ。

2020年代:GPUが次のインフラになった

そして2020年代、LLM(大規模言語モデル)の登場で状況は一変した。**イーロン・マスクが「GPUは麻薬より手に入りにくい」**と言ったように、

GAFAをはじめとする大手は、数十万台単位でGPUを予約購入していると報道された。これもまた、誰の目にも見える「公開された未来」だった。

NVIDIAのデータセンター向けGPUは1台数百万円〜数千万円。そのときにそろばんを弾き株価を見ていれば、その後株価がバク上がりするのは当然の結果だった。

エンジニアなら、この動きをニュースや業界のリリースで目にしていたはずだ。だが多くの人は、「そのニュースが意味するもの」に気づかないまま過ごしていた。

結論:急成長企業のシグナルは「隠されていない」

急激に売上を伸ばす企業は、秘密裏に成長するわけではない。エンジニアであれば誰でも気づけるレベルで、自社のコスト、日々の開発ツール、技術ブログ、クラウド利用量、求人情報などに「異常値」が現れている。

その後に決算発表が出て、世の中がようやく騒ぎ出す。だがその時には、すでに株価も市場も動き始めている。

経済系の新聞や業界ニュースを追っていれば、成長のシグナルはすでに流れている。問題は、それを「ニュース」として読むか、「未来予測のヒント」として読むかの違いだけだ。

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