Youtube のダークサイド

殺人犯が家に暴力的なゲームや漫画を持っていることが分かると「ゲームが悪い」「漫画が悪い」と騒ぎ立て、SNSで出会った人を殺害した事件が起こると「SNS が悪い」と騒ぎ立てるマスコミにはうんざりしている私ですが、生まれて初めて「Youtube って子供に悪いかも」と思う例に出合ったので、紹介します。

ソースは Something is wrong on the internet という記事で、この記事自体に読む価値があるのですが、もっとも気になったのは、ひたすら「おもちゃの開封儀式」をするだけのビデオでとてつもない視聴者を集めている「Blu Toys Club Surprise」という Youtuber です。

極めつけが「Cars 2 Silver Lightning McQueen Racer Surprise Eggs Disney Pixar Zaini Silver Racers by ToyCollector」というビデオで、卵型のチョコレートにピクサーの Cars のキャラクターが入ったおもちゃ(24個入り)をひたすら7分間開封するだけの退屈なビデオですが、なんと2千6百万回も再生されているのです。

なぜこんな「クリエイティビティのかけらもないビデオ」が2千6百万回も再生されているのかと考えていた時に、あるシーンが浮かんだのです。

レストランで、2〜3歳の子供と食事をしていた母親が、騒ぎ始めた子供を静かにさせるために、iPhone で Youtube をかけて子供を黙らせた、というシーンです。

つまり、この「おもちゃ開封の儀」は、2〜3才の子供にとっては、知っているキャラクターも出てくるため、何度見ても「ワクワクドキドキ」ビデオであり、親にとっては「7分間子供を夢中にさせる」格好の道具だからこそ、2千6百万回も再生されているのです。

確かに、私もレストランで連れて行った子供が騒ぎ出して肩身の狭い思いをしたことが何度もありましたし、「(子供の)背中にスイッチがあれば便利なのに」と本気で思ったこともあります。

なので、子供を夢中にさせる「おもちゃ開封の儀」をレストランで見せる親の気持ちも分かりますが、それで良いのでしょうか?そんなビデオばかり見せられた子供の脳が、ちゃんと発育するのでしょうか?

だからといって、マスコミのように「Youtube が悪い」とは言いたくないのですが、この事実に気が付いた時に、私は何か「見てはいけないもの」を見たような気がしたことだけは確かです。


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