Singularity Society 第1回 BootCamp 最終発表
昨年(2023年)7月から始まったシンギュラリティ・ソサエティ BootCamp もいよいよ終盤となりました。半年間(+2ヶ月)にわたり、プロダクトを作るオンラインイベントBootCampの最終発表会をハイブリッド開催しました。当初、50人程度の参加がありましたが、最後まで開発を続け発表まで到達したのは4割ほどの参加者でした。
まず最初に、代表の中島からの挨拶。
シンギュラリティ・ソサエティは、
- 会社の外の仲間を作る
- ビジネスのアイデアから起業をサポートする
という目的でクローズドなコミュニティーとして始めました。
今回のBootCampは広くオープンな場としてアイデアや人を募集して長期のイベントとして開催しました。成果を元に継続してソサエティで活動したい場合は、ぜひソサエティに入ってほしいと呼びかけました。
続いてAIでライフスタイルが変わるという事例として、最近ははまっているSuno AIを紹介しました。(Suno AIの詳細は2024/4/2のメルマガで)
さて、各チームの発表を簡単に紹介します。
Sake
米国で少しずつ人気になりつつある日本酒。しかし、日本で流通しているボトルをそのまま輸出しているので、日本語で書かれているラベルが読めない、銘柄がわかっても選び方がわからないという問題があります。その課題を解決するために、英語圏の人向けに日本酒のガイドアプリをリリースしました。オフライン活動やSNSを活用し、PMF。宣伝無しにオーガニックにユーザが増加中です。今年に入ってから3月24日時点ですでに日本酒を60本飲むほど、研究熱心。
Mikan
LLMのAPIと音声認識/合成を活用したAIチャットアプリ。Mikanのアバターと自然な会話ができる。会話するというコアな部分が完成したので今後はそれをベースにドメイン特化やユーザフレンドリーなアプリに進化予定です。アイコンがかわいい。
QandA-Agents
海難事故の文章検索と、法律の文章検索のそれぞれの開発者が合同でチームを作り、LLM/Embeddingを活用した文書検索システムを開発した。業務フローや、業務に特化した内容に合わせて、それぞれの仕組みを作っている。各分野の専門家が作っているのでとても解像度が高く参考になる。
NoteSP by Teegarden Team
Vision Pro向けのアプリ開発。本体が手元にない&NDAで情報を検索できない条件で、Vision Proのアプリを開発。当初のアプリからはピボットしたが空間を生かしたアプリ開発ができた!!
ZeikinSukkiri
スタートアップ税理士法人のサービス。チャットでAIを使って税務相談ができる。PMFするように解像度を上げてサービスを開発中。
並行して、税理士資格試験を突破できるAIも開発中。かなり良い先まできている。開発の状況はnoteで随時発信中。
サービスの売り込みはオンライン以外にもイベント出展もかなり効果があるので、おすすめとのこと。
Asovi
美容院に行っても、自分の思った通りのヘアースタイルにならない!!という悩みを解決するためのサービスを開発中!!ユーザや美容師のフィードバックを元にAIを活用し、アプリを作成中。精度の高いAIや、UI/UXが肝になる。ニーズはすごくあるサービスなので良いアプリができることに期待。
RadarBot
衛生画像やドローンの情報とAIを組み合わせたサービスを構築中。ゴールの大きなビジョンに向けて、数々のピボットを繰り返し、それに合わせて何度もサービスのプロトタイプを作成している行動力、技術力は素晴らしい。
顧客が興味を示すサービスが見つかりつつあるので、そこに注力し、製品化を目指している。
Clocky
シリアルアントレプレナー率いるチームで、AIを使った猫型ロボットを開発。ハード設計、デザイン、ソフトウェアまでなんでもこなしているので、SSとしてはほぼサポートすることなく、完成に至った。
近いうちに発売予定。ミーアは表情、会話など、かなりこだわっているので製品を入手するのが楽しみ。
My Numbers NFT
中間発表後、仕事が忙しく、主にその仕事の発表。アクチュアリーなので、数理モデルを使って余命計算をするなどして、人生アドバイスもできる。寿命予測は生命保険会社の保険料計算等のノウハウを転用してるので、ほぼ正確で、リアルデスノート並みのようだ。なので健康アドバイスなどをして、ポジティブに!!
これらをいかし、今後も引き続きサービスを作成予定。
寿命予測はこちらから。健康診断の結果を入力する必要があるので手元に用意してください。
QRコードはこちら。
Arcadia
プロのゲーム開発者が、1週間でAIを使ったゲームを作った!!最終発表1週間前から怒涛の勢いで開発。イラスト、動画、音楽、ボイス、楽曲をAIが作りロジックもAIを活用して動かす!!AI時代のAIゲーム
自身がゲーム作りが何よりも楽しいので、「誰でも作りたいゲームが作れるようになる」というビジョン!!
この仕組みをWebアプリ化して、シェアできるようになると嬉しい。ぜひ作ってほしい!!
Jarvis
Vision Pro向けのアプリ開発とオープンソース。Developer labsに通ったりクパチーノに行ったりして、開発。vision proの変わりにmacでデバックできるツールも作った。
空間ジェスチャー開発用のオープンソースと、それを使ったビリヤードアプリをリリース。
Vision Pro発売当日にハワイに行って購入。現地でデバックしてアプリリリースへ。
そのままハワイのビーチでアプリのデモビデオ作成!!
現在はvision proとllmを活用したアプリを研究中!!
Nuron X
ECのプロが集まり、ECの自動化を目指す!チーム。
C向け、B向けの複数のプロダクトを同時に立ち上げる予定。
その中の1つのC向けプロダクトが、クラウドファンディングを開催中。
講評
最後に中島の講評です。
ソサエティの活動、BootCampに共通することですが、このようなイベントにも価値がありますが、それよりもイベントを通して人と人のつながりができることがとても重要です。
今回の発表やBootCampをとおして、
- プロジェクトやプレゼンを通して、今まで出会えなかった面白い知り合いができた。
- 他のプロジェクトやプレゼンに興味がある、そのチームに参加する
- 他のプレゼンもいい考えだと思うけど、自分ならこうする、といった新しいアイデアを考え実行する
などの色々な発展の形がある。これをきっかけに、今回の発表で終わりにするのではなく、次の一歩を進めてほしい。
と締めくくりました。
まとめ
BootCampは必ずしも起業をゴールとせず、オープンソースや非営利のプロジェクトも推進していましたが、現時点で日米で合わせて4チームが会社を登記したようです。法人での参加や個人プロジェクトの参加を除くと、かなり高い割合で起業をしたので大変驚きました。良い成果に繋がるように、BootCamp終了後も継続してサポートしていきたいと考えています。
発表や質疑を通してメッセージは
- 解決したい課題があること、
- 大きなビジョンを持つこと
の2つがとても重要だということです。
今後も、ビジョンをもったチームと出会うためにBootCampを継続開催していく予定です。