日本は少子高齢化・人口減少で新しい枠組みを作るのに良い実験場-<コモン>の領域を再建し人々の生活を安定させる

SDGsは「大衆のアヘンである」
温暖他対策として、あなたは、なにかしているだろうか。レジ袋削減のために、エコバックを買った?ペットボトル入り飲料を買わないようにマイボトルを持ち歩いている?車をハイブリッドカーにした?
はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある。
なぜだろうか。温暖化対策をしていると思いこむことで、真に必要とされているもっと大胆なアクションを起こさなくなってしまうからだ。
..(略)..
国連が掲げ、各国政府も大企業も推進する「SDGs」なら地球全体の環境を変えていくことができるだろうか。

人新世の「資本論」より

中島 :数年前にシアトル市議会の人と話す機会があったのですが、その人の頭には「成長=良いこと」という考えしかなく、それに疑問を抱かせることすら不可能でした。
人口が増えれば、土地の値段はあがり、交通渋滞はひどくなり、ホームレスが増えます。シアトルのように、十分な暮らしが出来るようになった都市は、あえて「人口を増やさない」という政策を選択しても良いと私は思うのですが、「シアトルでビジネスをしている人たちは、誰もが成長を望んでいる」の一点張りで、議論になりませんでした。

有本 :地価が下がると、土地持ちや金融機関が困りますし、経済が縮小するなら株価も下がるので、現在の金融の仕組みは大混乱ですよね。まずは、そこの仕組みや考えを変えていく必要がありますが、今回の米国の竜巻をみてもわかるように議論している間に自然災害が増えて、それどころではなくなります。
最悪は、気候変動で食糧危機になって、食べ物がなくなり、人口は減ったほうが良い!!と、変なカタストロフィに向かっていかなければよいのですが。
気候変動も逃げ切り世代には関係ないというのが悲しい現実です。今の子どもたちは大きく影響を受けます。

中島 :日本は、いやが上でも少子高齢化で人口が減るので、新しい枠組みを作るのに良い実験場になるかも知れません。

有本 :少子高齢化だと、中国が逆転する、という話ですが、それはそれで大きな影響がありますね。日本は、今から多産になっても少子高齢化は防げないので(しきい値を超えている)、実験場ですね。機械化、自動化と、国や都市を縮小して乗り切る必要があります。ですが、それもある程度の国力を維持して資源が輸入できる、という前提が必要です。どこまで、国力が維持できるか。

中島 :今の仕組みのまま人口が減り続けると、電気ガス水道道路などのインフラが支えきれなくなるので、今のうちに新しい枠組みを作っておく必要があります。

有本 :そうですね。インフラはまずいです。過疎地域などのインフラを維持するのはおそらく不可能なので、地方都市をコンパクトにして集約させる。そうなると、山林が荒れるので、その対策なども必要ですね。あれると気候変動の影響で災害も増えるので。また、過疎地に人がいなくなると、野生動物が増えるので、それらも同影響するか。課題は多いと思います。

中島 :生産活動ができなくなった高齢者をどうするかも、本気で考えなければならない時期が来ると思います。安楽死が合法化される日が来るかも。

有本 :安楽死は、なかなか難しいかもしれませんが、ある程度の年齢を超えたら過度な医療をうけることはなくして、枯れていくように逝く、となるかもしれません。動物としては、それが本来の姿なのです。

中島 :南海トラフ地震や富士山の噴火でダメージを受けた場所は、復興しない、という選択肢もありますね。

有本 :この前みたところ、富士山の噴火だと、神奈川全域が火山灰が降り積もるので、どうなることでしょうね。南海トラフ地震は日本がどうなるかの大きなポイントですね。ただ、南海トラフ地震に関しては、古文書などを調べた研究のよると、まだ先かもしれません。周期的に。東北のアウターライズがまだ控えています。

中島 :我が家はこれまで二匹の犬を飼いましたが、どちらも癌を宣告された後に、永眠させました。犬ならばそれが出来るのに、人間だと「胃ろう」まで付けて延命させるのが不思議ですね。

有本 :そうですね。そこは宗教や哲学の領域ですかね。医学の進歩に人間がついてこれてないのですね。脱成長は上記書籍の書評をはじめ、メルマガやソサエティの記事でも、今後は取り上げていって、もう少し概念を広めていきたいですね。日本では誤って伝わっていますが海外ではグリーンニューディールとセットで提案されています。日本だと緊縮とセット、というイメージです。

『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日

有本 :おもちかえり.comにしろ、bus20にしろ、資金調達して急成長をする資本主義なサービスではなく、コモンとして社会に提供し、社会の共有財産としてサービスを開発していく。
「ありとあらゆるものを囲い込んで商品にしていく社会ではなく、そうした状況を解体していって、みんなで<コモン>の領域を再建したほうが、多くの普通の人たちの生活は安定していきます。つまり、教育、医療、家、水道、電気などのいろんなものを、市場の論理、投機・投資の論理から引き上げていく。みんなでみんなのものとして共有財産にしていく。<コモン>を広げていった社会がコモン型の社会、つまりコミュニズムということですね。そういう意味で、脱成長コミュニズムを提唱しています。」
オープンソースは、エンジニア以外は直接の恩恵は授かれませんが、コモンなサービスは広く恩恵をうけ、開発にも参加できる。コモンとしてのサービス開発、運営というのを1つの軸にできそうです。


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