「独立した方がいい。」
SNSではそんな言葉をよく目にします。しかし私は、独立そのものを目標にする必要はないと思っています。むしろ重要なのは、自分が何によって評価されているのかを理解することです。
会社で評価される人と、市場で評価される人は、重なる部分もありますが、同じではありません。
外資系という肩書は、誰の価値なのか
例えば、こんな自己紹介を見かけます。
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元Google
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元Amazon
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外資系コンサル出身
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○○社 執行役員
もちろん、それ自体には価値があります。しかし、一つ考えてみたいことがあります。
その肩書を外したとき、何が残るのでしょうか。
もし会社名を伏せても、「ぜひ一緒に仕事をしたい」と言われるなら、それは個人の価値です。一方で、「○○社だから信頼されていた」のであれば、その信用の多くは会社が作っていたものかもしれません。これは良い悪いではありません。
会社はブランドという強力な武器を社員に貸してくれています。その武器を使って成果を出すことも、立派な能力です。ただ、それを自分自身の価値と混同してしまうと、環境が変わったときに初めて気付くことになります。
会社の評価軸と市場の評価軸
会社には会社の評価軸があります。
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社内調整が上手い
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組織をまとめられる
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稟議を通せる
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大きなプロジェクトを前に進められる
これらは組織内の仕事を前に進めるために欠かせない能力です。しかし、市場では違う軸で評価されます。
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この人に直接お願いしたい
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この人ならお金を払う価値がある
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この人の知見を聞きたい
つまり、市場は「肩書」ではなく、「個人」を見ます。だから会社で評価されている人が市場でも評価されるとは限らないし、その逆もあります。
独立しない方がいい人もいる
最近は独立が成功のように語られることがあります。でも、それは少し違うと思います。大企業だからこそ扱える仕事があります。
莫大な予算。
世界中の拠点。
優秀な仲間。
長い時間をかけたブランド。
それらを使って大きな成果を出せる人は、その環境にいるからこそ価値を発揮できるのです。それは「会社に依存している」のではありません。「組織で成果を出す」という専門性です。その能力は十分に価値があります。無理に独立する必要はありません。
ただ、一つだけ意識してほしいこと
独立するつもりがなくても、会社員として一つだけ意識すると良いことがあります。
「これは会社のおかげでできたことなのか、それとも自分だからできたことなのか。」
この問いを持ち続けることです。例えば、
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顧客は会社を信頼しているのか、自分を信頼しているのか。
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人は肩書に会いに来ているのか、自分に会いに来ているのか。
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仕事はブランドのおかげか、それとも自分の専門性で成立しているのか。
この違いを理解している人は、独立してもしなくても強い人です。
独立はゴールではない
独立はキャリアの一つの選択肢であって、ゴールではありません。会社員であり続けることも、立派な戦略です。ただし、その場合でも、自分の市場価値を一度も確認しないまま定年を迎えるのは少し怖いことだと思います。会社の評価だけを信じるのではなく、市場から見た自分もときどき確認してみることをお勧めします。その視点があれば、転職でも、部署異動でも、独立でも、どんな環境の変化にも対応しやすくなります。
会社員として成功することと、市場で評価されること。
この二つは似ていますが、同じではありません。だからこそ、自分はいま何によって評価されているのかを、ときどき立ち止まって考えてみる価値があるのです。






