同じ質問を2回されたら、ドキュメントを書く — AI時代に資産化するチームの習慣

同じ質問を2回されたら、ドキュメントを書く — AI時代に資産化するチームの習慣

ある週、同じメンバーから「集合は何時でしたっけ」というメッセージが 3 日連続で届きました。1 対 1 なら答えて終わりですが、10 人を超えるチームになると、同じ質問を何度も繰り返すだけで一日が過ぎていきます。私は、同じような質問を 2 回されたら、その内容はドキュメント化するようにしています。

対象は技術的な話に限りません。

こうした内容はもちろんですが、一見すると些細なことでも、複数人が関わるならドキュメント化する価値があります。たとえば冒頭の「今日何時に集合ですか?」という質問です。1 対 1 なら答えれば終わりですが、10 人が参加するイベントなら話は別です。集合時間や場所をドキュメントにまとめて共有しておけば、多くの人は自分で確認できます。同じ質問が何度も飛び交うこともありませんし、情報の食い違いも防げます。

ドキュメントが力を発揮するのは、その場限りではないという点にあります。チャットの回答は、その場限りです。一方で、ドキュメントは URL ひとつで共有できます。半年後でも、3 年後でも、「これを見てください」と URL を送るだけで済みます。

しかも、その URL は本人だけが使うものではありません。質問された人が別の人へ、さらにその人が別の人へと渡していくことができます。つまり、一度書いたドキュメントは、人を超え、時間を超えて再利用され続けます。

GitHub などで管理しておけば、ドキュメント自体を改善し続けることもできます。質問を受けて説明が足りなかった部分を追記したり、誤りを修正したり、新しい知見を追加したりといった運用が自然に回ります。Pull Request を通じて他の人が改善を提案する仕組みも作れます。ソースコードをレビューして品質を高めるように、ドキュメントもレビューして育てる文化が成立します。

AI 時代には、この仕組みの意味がもう一段大きくなります。人に加えて、AI もドキュメントを参照できます。仕事の進め方、設計思想、FAQ、運用ルールなどが整理されていれば、AI はそれを前提として回答や実装を進められます。AI 自身が「ここは説明が不足しています」「この情報は古くなっています」と提案し、Pull Request を作成することもできます。

ドキュメントとは、知識を「検索できる形」にし、「URL で共有できる形」にし、「継続的に改善できる形」に変えるための仕組みです。

2 回聞かれたら、その内容をドキュメントに残します。 この小さな習慣を続けるだけで、知識は個人の頭の中から共有資産へ変わります。その資産は人や時間を超えて利用され、改善され続けていきます。

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