腰袋に入れるものと、道具箱に置くものは違う

腰袋に入れるものと、道具箱に置くものは違う

大工の腰袋には、そんなに入りません。釘袋、差し金、カッター、鉛筆。それで埋まります。

残りは道具箱です。必要になったら、足場を降りて取りに行きます。一日に一度しか使わないものは、それで足ります。

腰袋に入るかどうかを決めているのは、その道具が重要かどうかではありません。一日に何回手を伸ばすかです。大事だけれど一日一回しか使わないものは、道具箱に置いたほうが腰が軽くなります。

置き場所は、使う回数で決まります。

二十回が四十手になる

ターミナルで動く AI に何か頼むたびに、作業ログを開きます。これは記録しておこうと思うので、一日に二十回くらいです。MulmoTerminal は AI を何枚ものマスに並べて見張るための画面で、そういう記録も画面の中に持てます。無料で、オープンソースとして公開されています。

開くのに二手かかります。画面を切り替えて、それから開く。

一回なら何でもない操作です。二十回だと四十手になります。

ピン留めしても、二手のまま

よく使うものに星を付けてピン留めできます。ピン留めしたものは、上の行に並びます。

でもその行は、画面を切り替えないと見えません。ピン留めしても、二手のままです。

よく使うものを集めることはできていて、速く開くができていない状態です。道具箱の中をきれいに整理したのと同じで、取りに行く距離は変わっていません。

数件だけ、上のバーに出す

そのうちの数件を、ツールバー自体に出せます。上のバーはどの画面からでも見えているので、そこにボタンが出れば一手です。

出す前はこうなっています。

[Grid] [Collections] │ [PRs] [New terminal] [並び順] [⚙]
   ↑ Collections を押す → 上に出るピンの行から選ぶ

出したあとはこうなります。

[Grid] [Collections] │ [Work log] [ToDo] [News] │ [PRs] [New terminal] [⚙]
                        ↑ ここ。どの画面からでも押せる

実際の画面がこれです。区切り線で区切られた三つのアイコンが、上に出したぶんです。

MulmoTerminal のツールバー。左からロゴ、ビュー切り替えの2つ、区切り線、昇格させた3つのアイコン、区切り線、グリッドの操作

{ "toolbarPins": ["collection:works", "collection:todos", "feed:news"] }

設定画面でチェックしても同じです。ピン留め済みのものが一覧されます。

二段になっている

これで二段の仕組みになります。

ピン留めは、別の画面の上の行に全部並びます。上のバーに出すほうは、どの画面からでも一手で、五件までです。

上の行はこれまで通り全部並びます。バーのほうは、その上に重ねるもっと短い一覧です。道具箱と腰袋の関係と同じです。

名前を持たないので、古くならない

一つ、気の利いた作りがあります。

ボタンの名前とアイコンはピン側から読むので、もとの名前を変えればボタンの名前も変わります。古い名前が残ることはありません。

この設定はどれを出すかだけを持っています。名前を持たないので、名前が古くなりようがない。

上限が五件な理由

これは考えると納得できます。

ツールバーにはすでに、画面の切り替え、格子の操作、状態の集計、二つのゲージが載っています。数件を超えると横スクロールに押し込まれます。

横スクロールになると、スクロールしてから押すで二手です。一手にするための機能が二手になるなら、意味がありません。

上限が、一手のままでいられる数から決まっているのがいいところです。画面の幅から機械的に決めたのではなく、目的から決まっています。

選び方は、一日に何回開くか

五件しかないので、選ぶことになります。

毎日必ず開くものは出します。作業ログや ToDo のように、一日に何度も開くものです。他の画面から戻ってくるものも出します。たまに開くものは出しません。二手で十分です。

判断は単純で、一日に何回開くかです。一日一回なら二手でも損は一手分ですが、二十回なら二十手分違います。

腰袋に入れるかどうかの判断と、同じ基準です。

ピンを外しても、すぐには消えない

ここは少し込み入っていますが、実用上大事です。

姉妹ソフトの側でピンを外しても、ボタンはすぐには消えません。共有の一覧を読み直すのは、ページを開いたときと設定画面を開いたときだけです。それまでボタンは残って、押せば開きます。ピンを外してもデータ自体は消えないので。

設定ファイルには、使わない行が残る

ピンを外したものの行は、設定から消えません。もう一度ピン留めすれば、元の位置にそのまま戻ります。設定画面で選び直す必要がありません。

これは意図されたもので、自動で片付けようとすると、このピンはもう無いという判断を古いかもしれない一覧から下すことになります。一度でも間違えると、まだ欲しいボタンを黙って消してしまいます。

黙って消すよりは、使わない行が残るほうがいいという選択です。このアプリは設定ファイル全般で同じ判断をしていて、知らない項目を捨てずに書き戻すのと同じ考え方です。

姉妹ソフトと共有している部分

ピン留めそのものは、二つのアプリで共有されています。片方でピン留めすれば、両方に出ます。

上のバーに出す設定は、MulmoTerminal 固有です。そのバーは MulmoTerminal のものなので。

何が大事かは共有して、どう置くかはアプリごと。妥当な線引きだと思います。腰袋は人ごとに違っていい、というのと同じです。

使ってみる

MulmoTerminal は、次の一行で立ち上がります。ターミナル(Windows なら PowerShell、Mac ならターミナル)を開いて、そのまま貼り付けます。

npx mulmoterminal@latest

ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功です。インストールという作業はなく、合わなければ閉じるだけで終わります。止めるときは、打ったターミナルで Ctrl + C を押します。

動かない場合、足りないものは次の二つのどちらかです。

確かめ方 無ければ
Node.js 22.12 以上 node -v nodejs.org/ja/download の LTS。入れたらターミナルを閉じて開き直す
Claude Code claude --version macOS は curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash、Windows は irm https://claude.ai/install.ps1 | iex。そのあと claude でログイン

Claude Code は、AI をターミナルから使うためのコマンドです。使うには Claude の有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)か API のアカウントが必要で、無料プランには含まれていません。MulmoTerminal 自体は無料で、AI の使用量はその契約から引かれます。

二段あるので、順にやります。

まずピン留めします。ツールバーの Collections を開いて、よく使うものの星をクリックします。上の行に並びます。

そのあと上のバーに出します。Settings の Toolbar pins を開くと、ピン留め済みのものが一覧で出るので、出したいものにチェックを入れます。

設定ファイルに手で書くこともできます。書く場所は ~/.mulmoterminal/config.json です。無ければ作ります。

{ "toolbarPins": ["collection:works", "collection:todos"] }

works の部分は、そのコレクションを開いたときのアドレスに出ている文字です。/collections/works なら works です。

設定画面から入れたときは即座に効きます。ファイルに手で書いたときは、タブを再読み込みします。

上のバーの Grid と Collections の隣にボタンが出ていれば成功です。

やめるときは、Settings の Toolbar pins でチェックを外します。すぐ消えます。ピン留めごと外すなら、Collections で星をもう一度クリックします。データ自体は消えません。一覧から見えなくなるだけです。

なお、バーから外しても設定ファイルには行が残ります。もう一度ピン留めすれば元の位置に戻るための作りなので、手で消さないでください。

まとめ

腰袋に入るかどうかは、道具が重要かどうかではなく、一日に何回手を伸ばすかで決まります。一日一回のものは道具箱に置いたほうが腰が軽くなります。

ピン留めは道具箱の整理で、取りに行く距離は変わりません。上のバーに出すと、どの画面からでも一手で開けます。

上限が五件なのは、それを超えると横スクロールになって、一手にするための機能が二手に戻るからです。

この記事をシェア

関連記事

記事一覧に戻る