Claude Code や Codex を並列で走らせるツールを探すと、20 以上出てきます。
Vibe Kanban / Nimbalyst / Parallel Code / Conductor / Claude Squad / CodeAgentSwarm
Superset / Paneflow / Sculptor / Mux / opcode / T3 Code / Paseo / Pane
Augment Intent / Gas Town / Antfarm / agor / Emdash / iloom / claudio / Chloe
agent-of-empires / sudocode / devswarm / air.dev / flightdeck / Lanes / graft ...
Reddit のスレッド1本と比較記事3本から拾っただけで、これです。網羅ではありません。
そして厄介なのは、機能一覧を並べても選べないことです。
先に断っておくと、この記事を書いている私たちも、この分野でツールを作っています(MulmoTerminal。開発は中島聡と Singularity Society のチーム、MIT ライセンス)。中立ではありません。その代わり、他のツールが優れている点と、自分たちが試していないことをはっきり書きます。
まず、その前に
claude agents は Claude Code の 2.1.139 から入っています。打つだけです。
claude agents
バックグラウンドのセッションを Working / Needs input / Completed に分けて一覧し、それぞれ1行の要約を出します。claude --worktree <名前> も 2.1.49 からあります。worktree を切ってセッションを起動し、後片付けまでやります。
Research Preview のまま静かに入っているので、知らない人がとても多いです。私たちがユーザー6人に話を聞いたときも、自発的に書かれた記事2本にも、一度も出てきませんでした。出てきたのは VS Code(11回)、worktree(10回)、Cursor(8回)、tmux(2回)です。
これで足りるなら、それで終わりです。 何も入れる必要がありません。以下は「足りなかったとき」の話です。
機能一覧で選べない理由
主要どころを調べて、驚いたのがこれでした。
| ライセンス | 実行 | 隔離 | |
|---|---|---|---|
| Vibe Kanban | Apache-2.0 | ローカル | worktree |
| Nimbalyst | MIT | ローカル | worktree |
| Parallel Code | MIT | ローカル | worktree |
| Claude Squad | OSS | ローカル | worktree |
| MulmoTerminal | MIT | ローカル | worktree |
ほぼ全部が OSS で、worktree ベースで、ローカルで動きます。
つまり「MIT だから」「ローカルで完結するから」「worktree で隔離できるから」は、差別化ではなくこの分野の最低ラインです。そこを売り文句にしているツールがあれば、それは何も言っていないのと同じです。
そしてどれもやっていないこともあります。エージェントごとのコンテナ隔離です。権限を切ったエージェントを本番マシンで動かすのが不安なら、どれを選んでも解決しません。devcontainer か VM を下に敷くしかありません。
困りごとから逆に選ぶ
では何で選ぶか。どこが痛いかです。
私たちがユーザーに話を聞いて出てきた困りごとは、4つに分かれました。
① 読めない
エージェントが 4000 字の返答を返してきて、それを画面の6分の1で読むことになる。
ターミナルを6分割すると、1つ1つのペインが小さすぎる。4000字の出力を読むのにスクロールとリサイズが必要になる
これは分割の宿命です。画面の広さは決まっているので、6分割すれば1つあたり6分の1になる。
向いているのは「複数のライブ画面を同時に見せる」形です。1行の要約は分類には効きますが、読む役には立ちません。
② レビューできない
ブランチが5本上がってきて、どれをマージするか判断がつかない。
向いているのは diff 中心の形です。worktree ごとに隔離して、後でまとめて見る。Parallel Code や Conductor がここに寄せて設計されています。
Parallel Code は Super Productivity(★20,000)のメンテナが単独で作っていて、Claude Code / Codex に加えて Gemini にも対応しています。
③ 見失う
そもそも何を頼んだか分からなくなる。
biggest pain wasn’t context handoff, it was remembering which agent knew what when i came back after lunch
向いているのはボードやタスクグラフです。Vibe Kanban(★27,500)が最大手で、セッションではなくタスクをモデル化しています。「何を頼んだか」を見失うのが主な困りごとなら、この抽象が正しい。
ただし1点。運営会社の Bloop は 2026年4月に事業を畳んでいます(プロジェクトは Apache-2.0 のコミュニティ運営として継続)。半年後に issue に誰が答えるかを気にするなら、知っておくべき事実です。
④ 隔離できない
上に書いたとおり、どれも解決しません。 ここが本当の困りごとなら、ツール選びより先に devcontainer です。
スマホから見たいなら
これは別軸なので分けます。
- 本物のネイティブアプリが欲しい → Nimbalyst(iOS と Android の両方)
- ブラウザで十分 → Vibe Kanban、MulmoTerminal
- ターミナルから出たくない → Claude Squad、
claude agents(スマホは対象外)
Nimbalyst は旧 Crystal です。この分野は1年で名前が変わります ── Crystal は改称し、Terragon は終了し、最大手の運営会社は畳みました。
私たちのものは、どこにいるか
MulmoTerminal は ① に賭けています。
ブラウザに複数のライブ端末を同時に並べ、状態を色で示し、待っているセッションがあれば音とスマホ通知で呼ぶ。セッションは tmux の中で動くので、タブを閉じてもサーバを再起動しても消えません。
やらないことも書いておきます。
- コンテナ隔離なし(Docker サンドボックスは 4.0.0 で削除しました。worktree のみ)
- ネイティブアプリなし(スマホは同じブラウザ UI + web push)
- Gemini と OpenCode に非対応(Claude Code / Codex / Antigravity)
機械可読な仕様は facts.json に置いてあります。
結局どうするか
ターミナルから出たくない → Claude Squad / claude agents
本物のスマホアプリが欲しい → Nimbalyst
主に diff を判断したい → Parallel Code(Mac なら Conductor)
タスク自体を見失う → Vibe Kanban
走っているものを同時に見たい → MulmoTerminal
どれも1分で入ります。6つ読むより、2つ試すほうが早いです。
試していないこと
正直に書いておきます。私たちが毎日使っているのは MulmoTerminal だけです。他のツールはソースとドキュメントを読んだだけで、継続的に使ってはいません。
上の記述は各プロジェクトの README とドキュメントに基づくもので、私たちの使用経験ではありません。星数やライセンスは 2026年8月3日時点の値です。誤りがあれば教えてください。 直します。
