MulmoTerminal の返信末尾まとめ(`appendSystemPrompt`)— できなかったことを拾う仕組み

MulmoTerminal の返信末尾まとめ(`appendSystemPrompt`)— できなかったことを拾う仕組み

課題:できなかったことは、頼まないと返信に出てこない

MulmoTerminal の Claude Code セッションに 3 つ頼んだ。

20 分後、マスの枠が緑(完了)になっている。拡大して返信を読むと、最後にこう書いてある。

ヘッダーの重複を修正し、テストを追加しました。

README の話が出てこない。会話を遡ると、途中で README を開こうとして権限エラーが出て、そのあと別の作業に移っている。でも最後の行には書いていない。

これは嘘ではない。できたことで返答を終えるのが自然なだけだ。人間も同じで、2 つできれば 2 つ報告する。違うのは、人間なら聞かれれば残りを答えること。AI の場合、その会話はもう終わっているので聞く機会が無い。

並列で動かすと、ここが一番高くつく

1 体だけ動かしているなら、作業中の権限エラーが画面に見えているので気づく。

9 体並列で動かしていると、見えない。1 体が 20 分作業しているあいだ、別のマスを見ている。戻ってきたときに目に入るのは最後の数十行だけだ。

9 枚のマスが全部「できました」と言っている。実は 3 枚が半分しかできていない——これに気づかずに次へ進むと、あとでまとめて破綻する。

MulmoTerminal の解決:末尾に 3 点を必ず書かせる

MulmoTerminal は起動する Claude Code セッション全部に、Claude の --append-system-prompt オプションで返信の最後に短いまとめを書くよう指示を足している。内容は固定の 3 点:

  1. 何を頼まれたか
  2. 何ができたか
  3. 何ができていないか

--- の区切り線の下に出る。

頼まれたこと: ヘッダーの修正、テストの追加、README の更新
できたこと: ヘッダーを修正、テストを追加
できていないこと: README は権限エラーで開けませんでした

3 行目が効く。上の 2 つは他の手段でも分かるから。

既定で ON

既定で入っているのは、放置時間があるのが前提の道具だから。放置して戻ったときに「結局どうなったか」が末尾だけで読めないと、並列の意味が半分なくなる。

詳細・gotcha

切っても機能は何も欠けない

切るときに安心できる点がある。切っても MulmoTerminal の機能は何も欠けない。

このまとめの中身をアプリが読んでいる箇所は無く、ロスターや通知に出る「最後の返信」が、まとめではなく素の末尾になるだけ。アプリがこのまとめを解析して機能に使っていたら、切った瞬間に別のものが壊れる——そうなっていない。

ただし逆の見方もできる。ロスターの一覧とスマホのプッシュ通知に出るのは、まとめの冒頭だ。切ると、そのマスが何をしたかが一覧では読みにくくなる。有効のままにする価値は、マスの中ではなくロスターと通知の側にある。

動いているセッションには反映されない

この指示はセッションを起動するときに一度だけ渡すものなので、途中で変えられない。設定を切っても、動いているセッションはそのまま続く。

確かめるには、セルを一度閉じて開き直す。

プロジェクトごとに切れる

全体で切るだけでなく、プロジェクトごとにも設定できる。そちらが優先される。

// .mulmoterminal.json(プロジェクトのルートに置く)
{
  "appendSystemPrompt": false
}

これが実際的な理由はいくつかある:

並列で多数を回す以外の使い方のときだけ、そのプロジェクトだけ切る。

文面は変えられない

3 点固定で、自分の文面に差し替える設定は今のところ無い。

不便に見えるが、利点もある。9 枚のマスのまとめが全部同じ形なので、見比べられる。できていないことの行だけ順に読めば、9 枚のうちどれが引っかかっているかが分かる。書式が決まっているから並べて読める。

この PR はどのクローンの作業か(prWorkdirFooter)とは別の設定

同じ --append-system-prompt に乗って届くが、片方を切ってももう片方は残る。切り分けたいとき用。

Claude のセッションだけ

--append-system-prompt は Claude Code のオプションなので、Codex のマスや素のシェルのマスでは効かない。並列させるときはそもそも Claude 中心なので、普段は意識せずに済む。

使ってみる

MulmoTerminal の立ち上げ方は MulmoTerminal 完全ガイド から。この設定は既定で入っているので、入れる操作は要らない。

既定で動いていることを確かめる:

  1. Claude Code のセッションを 1 つ起動する
  2. 何か 2〜3 個のタスクを頼む(1 つは明らかに失敗する種類のもの、たとえば「存在しないファイルを編集して」など)
  3. 返信の末尾に --- の区切り線と「頼まれたこと / できたこと / できていないこと」の 3 行が出ていれば動いている

切るときは、~/.mulmoterminal/config.json に:

{
  "appendSystemPrompt": false
}

または Settings → Sessions and background tasks のチェックボックスを外す。

反映されるのは次に起動するセッションから。サーバの再起動は要らないが、既に動いているセッションには効かない。セルを閉じて開き直して確認する。

戻したくなったら、その行を消すか true にする。切っても機能は何も欠けない。ロスターと通知に出る文が変わるだけだ。

まとめ

関連: MulmoTerminal 公式ガイドの返信末尾まとめ / MulmoTerminal の worktree 隔離 / 並列 AI コーディングのコックピット

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