Invent or Die 1 - 中島聡 × 夏野剛

中島:中島ですよろしくお願いします

夏野:あの夏野ですよろしくお願いします

中島:今日は何のシンギュラリティソサエティ NPO を立ち上げたので、そのご挨拶です。ローンチイベントです。ちなみにこの今日プレゼント使ってるのはHoyluという会社のソフトです。ちょっと宣伝をしておかないと(笑)

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次のページに行きますと、一応ビジョンとミッション、もうちょっとかっこいい言葉でやりたかったんですけど、基本的にはその人工知能とかそういうものでその社会が変化してく中で色々職を奪うとか、もしくはそのま人間に賢くなって、人を支配してしまうんじゃないかっていう、その暗い未来もあれば、人工知能があるおかげで、みんな働かなくて良くなって遊んでられるとか、でも遊んでばっかりいると生きてる生き甲斐がなくて暗くなるとか、色々と暗い未来、明るい未来があるけれども、やっぱり今のうちからテクノロジーによる変化が起こるのを待つんじゃなくてテクノロジーを操る立場になりたいですよね。そういう意味での良い良い社会を作る。

で、そんな人たちをサポートするっていうのがその society としてのミッションですね。

私も今までいくつか会社を作ってきたんですけど、営利企業でのミッションは株主がいるので、綺麗事を言おうがやっぱりどっかでお金儲けなきゃいけないっていうしがらみがある中で、やりにくいこともあるんですよ。

例えば、日本が抱えてる少子高齢化の問題であったり、過疎化の問題であったり、もしくは教育、これから AI がどんどん伸びて亡くなられ教育を変えなきゃいけないっていう時に、では小学校にインターネット入れようとか言うとも、そこで儲けようっていうどうしようもない人たちが集まってくるわけじゃないですか。

私もその会社を背負っていくと、そういう人たちと一緒に見えちゃうので、結局こいつは儲けるつもりで来たのか、助けに来たのか解らないっていう目で見られるから、なんかうまくいかないんじゃないかと思い、NPO で思い切ってやってみようということで、私にとっても初めての実験です。

(ちなみに)ここにこう線を引いてくれてる人は全然別のとこに座っていて、

Hoylu Japanの人が手伝ってくれてますけれども、複数のホワイトボードをインターネットでつないで他拠点で同時に操作できるというのがこのソフトです。

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シンギュラリティーってのの定義が、まあその人間の知能を越えたところがシンギュラリティーって言う人もいますけど、人間の知能とコンピューターやって比べるんだって難しいじゃない。チェスで勝ったら賢いのか?そうじゃないですよね、やっぱりね。でもなんだかんだ言ってその汎用のAIって言ったらものすごい難しいんですよ。その2040年ぐらいとか、言う人もいますけど、私はすごくそこに関しては懐疑的で、その、要は特定業務に関して言うとね、マニュアルさえあればそんなにクリエイティビティーじゃない仕事は、もうどんどんコンピュータがやるようになって、その分では人間よりに賢くなってもおかしくないけど、まあ、そのシンギュラリティっていうのは、ある時点2040年に突然起こる事象って捉えるのではなくって、やっぱりもうある意味過去から始まってるわけですよ、この辺から。

そのここにね、あのパソコンが出てきて、ここでインターネット、ここでモバイル。

インターネットが出てきて、そのいろんなそのテクノロジーの変化によって、急速に世界が変わっていますよ。それがもう加速度的にどんどんなってきて。まー、ある時点でその AI が、自分でAIを作るようになると、本当にあの人間を。

今でも、すでにその AI の中の画像認識とかいうのは、中が実はどうやって動いてるかわかんないんですよ。統計的にやってるので。 AI が AI を作るようになると、それこそ人間には理解のできないAIなので、まあそういうをシンギュラリティーと呼んでもいいですけど、それよりも事象として、今起こりつつあるテクノロジーの進化によって社会が変わりつつあるっていうことを認識した方がいいなと思います。

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で、日本のことを考えると、よく言う失われた10年とか20年とか30年と思いますけど特にこの89年のバブルが崩壊したところから今まで見ると、その後の日本、アメリカ、中国を並べると本当に日本が低迷してるのわかりますよね。でこれはそのここでバブルが崩壊したからっていうのはもう言い訳効かないですよね。バブルが崩壊したから、まあちょっと落ちるのはしょうがないじゃないですか。なんでこんな続いてるのっていう。

で、そこと、この時期とですね、この世は1990年代から、今まで至る時期と、日本が低迷してる時期と、その ITによって、インターネット、パソコン、モバイルによって世界が変わっている時期とは、一致してるのは僕は偶然じゃないと思うんです。

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次のグラフに行くと、最近いろんなところでみんな書くようになりましたけど、要はバブル崩壊前の世界の企業の時価総額トップ10のうちの7社が日本だった。それが今は、ゼロ。

で、今これが国がっていう見方もあるけど、

実際見てみると IBM 、エクソンモービルだけは残ってるけど 、IBM と GE とかもダメになってるんですよ、アメリカでも。だからそれを考えると、別に国がっていうよりも、やっぱ企業が変わってるですよ。勝ち組が変わってるわけですよね。特に Amazon なんか見てもわかるように、単に IT の企業だから ITビジネスで成功してるんじゃなくて、小売ビジネスで成功してる、流通ビジネス成功してるわけじゃないですか。そういうこと考えると、テクノロジーによって、そのあらゆる業界、あらゆる業種が変わってくだけですよ。その中でなんで日本がここのトップ手に入ってないかなって言うことにはすごく注目する価値があると思います。

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で、そこでちょっと前に、あの日経の記事に入れた経団連の重鎮達。全員男、全員日本人、全員これ一番若くて62歳。もっと悲しいのが全員サラリーマン経営者。起業経験なしですよ。その起業経験なしの人が日本をリードしたんですよ。これは僕はすごく悲惨だと思いますよね。

やっぱ日本が元気だった高度成長時は、その、まだホンダとかソニーとかっていうのは若くて元気な会社だったじゃないですか、創業者がいて。それがやっぱりみんなサラリーマンなっちゃったんですよね。サラリーマンで転職経験なし、こんな連中が日本の主要な企業を経営してんですよ。それがその経団連っていう立場で、政治に大きな影響を与えて、これで勝てますかって話ですよ。

ここにいる連中と、偉そう言っちゃうけど、ここにいる人達と、 Facebook 、Google、 Amazon Microsoft の CEO と比べたらもう全然天と地の差ですよ、はっきり言って。勝てるわけないんですよ。彼らに任してたら、もっと日本の失われた30年は40年なるんですよ。

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そこをやっぱり、ちゃんと認識して、だから今の会社をやめろって話じゃないですよ。ちゃんと認識して、その今の世代、これからまだ逃げ切れるわけじゃない、これから30年40年生きる人たちが頑張んなきゃいけない。僕が一番好きな言葉、そのいろんな意味のそういうことで言うとアラン・ケイが言っている、「未来を予想する一番いい方法は自分で作ることなんですよ」

シンギュラリティ時代になったらどうなるとかいうことを、雑誌とか読んで勉強するのはいいけど、怯えてたってしょうがない、待っててもしょうがない理由、やっぱ自分から作ってかないと良い世界には

ならないですよね。本当にその重鎮達はもう関係ないですから、彼ら逃げ切るだけなので、

その一つ下、二つ下って、その世代的に言うと今の二十代三十代の人、ひょっとすると小学校の人たちはもっと考えなきゃいけないけど、でそういう人たちが自分たちの未来を、自分で作っていかないと話にならないって言うことを、危機感と持って欲しいし、でも危機感だけじゃなくてポジティブな想いで、作れるんだって思ってほしいんですよ。

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でもう一つ、もっと好きなのが、実はこれはスティーブジョブズじゃなくて、コマーシャルのために作ったらしいんですけど、もう本当に最高の言葉だと思います。要は自分で世界が変えられるって言うぐらい馬鹿げた、馬鹿げたやつだけが変えられる。

この馬鹿げたって言うクレイジーの部分がすごく重要で、やっぱり、その僕もいろんな人を見て、そのベンチャーキャピタルもしてたし、自分で会社を作ってきたけど、やっぱり本当の意味でのそのカリスマ性を持つ人、そのスティーブジョブスの言うなんて言うんでしたっけ、現実歪曲空間を持てる人っていうのは、やっぱりちょっと気が狂ってるぐらいに自分に惚れ込んでる、自分のビジョンがあって、よく言うのが、そのカリスマ性が僕にはないからと、リーダーシップがないからって言うけど、そのカリスマ性とか、リーダーシップってのは、その何て言うのかな、生まれもって持つものでもなければ、勉強して得るものでもなくて、僕はなんかイメージとしては心の中にあるマグマなんですよ。こういうこと起こしたいっていう想いが、ものすごい強い想いがあると、もうちょっと口を開けるとそこからすごい勢いでビジョンが飛び出してくるので、周りの人が影響されちゃうんですよ。こんな世界をしたいっていうすごい思いがあるから後はちょっと口を開けそこからバーっと火が噴き出すんですよ。

だからなんかにそういう熱いものがない人は、いくら表面的にプレゼンの練習をしたとこで全然説得力は出ないで、やっぱりその中に燃える思い俺はこんなことしてやるんだできるんだっていうぐらいの想いを持たないと、いけなくて、そういう想いを持つ人たちに日本をリードしてほしいんですよ。日本が世界をリードしてほしいんですよ。そういう人たちがそういう馬鹿げた夢を持ってもいいんだよと、

なんかそういうことを伝えていくっていうソサエティになりたいですよね。

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でも、なんでもやるって言うと大変なので、まず社会問題として6つ、テーマとして用意してて、まず自動運転。多分、自動運転はインターネットとかスマホが僕らの生活を変えたぐらいのインパクトを次に起こすのは自動運転なので、それによって社会だとか街だとか人々のライフスタイルがどう変わるかっていうことも考えたいし、それからインターネットによって、職が無くなった人をどうするんだとか AI によって職が悪い時代の教育はどうやってきたとか、一個一個長くなってもしょうがないけど、 AI がやっぱ伸びてくると、どうしても貧富の差が広がるんですよ。このままでいいのかと。

そういうその大きな問題ですとか、日本の場合には少子高齢化と過疎化ですよね。

これをどう対処するんだとで日本の田舎のインフラはこれから10年で崩れてきますから、待った無しの状態だと思います。

あとはサスティナブルとかそういうテーマを議論する場を作り、活動としては2つやりますね。

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今回の対談もそうですけど、まず情報発信をしていくとか、カンファレンスを開くとか、若しくはブログの記事を出す。将来的にはもう本当に政策提言まで出したいと思ってます。

それからもう一つの活動はオンラインサロン。ここでは次の世代を担っていく危機感を持っているけど、楽天的な人達、熱い思いを持ちたい持ってる人、そういう人を集めて会社を跨いだネットワークを作んなきゃいけないと思うんですよ。どっかにも書いたけど、転職活動ってのは、いざ探さなきゃいけない時に始めるんじゃないんですよ。私もアメリカに暮らしてると思ってるけど、みんな毎日転職活動してるんですよ。ビジネスのミーティングをしてる時も相手の顔を見ながら「こいつ雇いたいかな。」とか、「こいつに雇ってもらうためにはどうやってアピールしたらいいかな。」っていうことを常に思いながら皆ビジネスしてるんですよ。だから、日本の人ってやっぱり会社人間になっちゃうじゃないですか、それで一生同じ会社に入って、引退したらタダの人になっちゃうんですよね。それはやっぱり余りにももったいないので、そういう社外のネットワークを作る場を作りたいです。

ネットワークづくりはものすごく大事で、こういうサロンに入って、私がメンター役をします。夏野さんがこういうこと話してくれますっていうところから、直接学べるもあるかもしれないけど、それよりもやっぱり、こういう幾つかのプロジェクトを通して、「この人とだったら一緒に仕事をしたい!」とか、若しくはそう思ってもらえる人を見つけるって言うのは、本当人生にとって財産ですから、そういうものを持ってほしいですよね。

私も今まで何回も会社作ってるけど、結局そういう財産を使って会社を作るんですよ。 一人では作れないですから。

私が誘ったら今でもそうですよ。 今日マイクロソフトに入ってドアを叩いて僕が「来いよ!」って言ったら来てくれる人は何人かいますから、それはもう僕にとってはもう何にも代え難い財産ですよ。

そういうものをやっぱりみんなに持ってほしいという形で。まあ NPO にも関わらずプロジェクトのインキュべーションもするし、もうできたら起業支援もしたいなという、欲張りな NPO です。

そしてとうとう座談会じゃないや。なんだっけ?対談の時間になりました。お待たせしました。


夏野: ここにいらっしゃる方が色んな意味で、誰がどんな事喋ってるとか、どこかで有力なインフルエンサーかどういうことを話してるとか、結構感度が高い人が集まってると思うんですけど、何か不思議だと思うことありませんか、例えば民泊法ってできましたけど、明らかにある民泊潰し法ですよね?

あれ通っちゃうんだよね。本当に。Uberとか日本で使えない理由ないよね。誰も「川鍋が馬鹿だ!」って言わないの。何でかな?って、すごい思うんですね。一方で学生の中にもですね、「いやいや。それで皆がそうやって国会で議論してそういう風になったんだから、それなりの理由があるはずなんだよ。」とか、「昔から続いてることはそれなりに、それが受け入れられてるから続いてきたんだよ。」って言う人結構多いんですよ。

でも、紐解くとですね。どういうことかって言うと。例えば民泊を作る時にヒアリングする相手は旅館ホテルの人なんですよね。つまり利害関係者からその意見を組み上げて、利用者がいないんですよ。利用者がいないで汲み上げて、それで利害調整して「ほい!」で作るから新しいことに対して防衛的なものなっちゃうんですよね。完全ポジショントークの世界なんですよ。

もう一つ言うと例えば5Gとかで世界は変わらないっすよ。だけど別に僕は5Gで世界が変わんないって言うとですね「 NTT 出身でそんなこと言っていいんですか?」とか言われんだけど、変わんないじゃん。だって、そんな3Gだって世界は変わんなかったし、でも徐々に変わってくんですよ、エリアが増えてるから。でも、2020年に5Gで世界は全く変わりませんよ。

でも「変わんないよ。」って本当の事を言ってもメリットある人がいないと、何となく「5Gで世界は変わる!」って本気で信じている経団連の人がいっぱいいるわけですよ。個別具体的には言わないんだけど、皆が言ってるからって言って「やっぱりすごいことが起こるんだ。」て言って世界の通信業界5Gに期待してんだけど何も起こりませんよ。そんな10年ぐらい経ったら「あ~変わったな。」と言うかもしれないけど、なくとも5G導入で何も変わんないんでしょ。

日本ってなんか本質的な議論が中々表に出ないままいろんなことが決まっていって、それがさっきの中島さんのあのグラフに出ている、やっぱり1995年以降ほとんど成長してない。1995年の日本の GDP と2017年の日本の GDP は何と0.8%しか成長してないんですよ。人口は0.9%増えてるんで生産性落ちてるんですよ。こんだけITが出てきたのに。

だから、実はですね、日本はすごいことをこの20年でやってしまいました。人類史上初めて、技術の進化が生産性の向上に結びつかない例をこの20年の日本作っちゃったんですよ。

こんなのマズいな、その原因が本当のことって何なのとか、本音ではどうなのとか、本当だよったらどうなるべきなの?とかいうシュミレーションとか議論とか大っぴらにされていない。新橋の飲み屋で意外にされてたりするんだけど、それは単なる愚痴の世界で終わってるわけですね。ということでこれシンギュラリティという言葉を聞くとですね、皆怖いとか、すごいとか、色んな想いあると思うんですけど、やっぱり技術的な大きな転換点を我々これから迎えるし、実は今までも向いてるんですけど、この技術的な大きな変異点、転換点っていうのを、ちゃんと意識して「我々の人間の仕組みを一番いい物って何なんだろう?」っていうのを常に考えることが、もう今の日本に、あるいは世界に重要なことで、だって79億人の人口いたらやばいよね。 でも殺すわけにいかないでしょ。じゃあ、どうすんの?っていうのは国連だってタブーだけど、こういう話をしていきたいと思うんですよね。

本当にこれでいいのかって言う事をいろんなところにぶつけて行って。で、まったくタブーなく・・・

中島:はい、タブーなく

夏野:タブーなくいろんなこと議論できるソサエティができるといいなコミュニティができるといいなっていうのは僕の期待です。で、そういうコミュニティの条件はただ一つですよ。

言葉尻とらえて Twitter とかにあげて、僕を炎上させのはやめて下さい。

これは朝日新聞書評と呼びますけど、つまり長い事喋ってんのに一番やばいところだけを取り出してそれで、がーってやる。これが朝日新聞手法なんだけどさ、まー、フェイクニュース手法なんですけど、これはこのコミュニティではないようにしたいなと、ぜひお願いしたいと思います

中島:このあといくつかスライドを作ってきたんですが、そのスライドにはタイトルしかないです。中身がない。で、まあの対談相手が良ければ中身は作れてしまうのではないかなという、スライドの作り方をしてきて、一枚目は iモードについて。古い話ですけど、やっぱりその NTT っていう堅い会社から、世界初のモバイルインターネットが出たんです。

で、この前ちょっと、私、話したんですけど、ちょうどその2000年に会社を作ったばっかりで、UIEvolutionって会社なんですけど、その会社を何とか目立たせたいと思い、その CTIA っていうアメリカのね、ワイヤレス業界のカンファレンスで喋るネタを、なんとかしゃべるネタを出すと、そのネタの面白さによって採用してくれたり、採用してくれなかったり、面白そうなネタだと、でかい部屋をもらえるので、頑張って言って、私全然 iモードと docomo とも何の関係もなかったのに、iモード・エボリューションとかいるタイトルで 、UIEvolutionって会社だったので、日本で、モバイルインターネットで 何が起こってるか、っていう話す計画を出したら、ものすごく喜んでもらえて、三千に入る部屋をあてがわれたと。で、行ってみたら満員だったっていう経験があって、うちの会社は iモードのドコモさんと、何もしてないのに、iモードっていうのが日本で起こっていて、そこでその釣りバカ気分っていうゲームがあって、こんなに面白い話を手振りでしたら、もう大ウケしちゃって、そのためうち会社を結構有名になったという恩がある。

夏野:知らなかった。

中島: あの夏野さんのやつですけど、やっぱり、どうやってあの固い重鎮ばかりがいる会社の中で、あんなことができたのかな

夏野:やっぱり人と金と技術って、この3点セットが揃ったって言うタイミングに何をするかってことだと思うんですよね。人、金、技術。つまり、その当時の docomo ってなんか今のイメージと全然違うんですよ。

その当時の社長が NTT が大嫌いな社長なんですよ。大星公二っていう人で、この人は、最初のドコモの社長なんですけど、この人は会長になってから、もう公演で「ひとつだけやり残した仕事がある。それは社名から NTT を取ることがだ」って、言いまくっている人で、めちゃくちゃなおっさんだったんですけど、このおっさんがやれって言ったわけですよ。

何も関係ない。手段は問わない。外から人とってきてもいいし、金もいくらでも使っていいから、インターネットと携帯繋げと。こういうクレイジーな、クレイジーな論拠は何かっていうと、音声だけでやってたら、どうせ、先詰まっちゃうから、もう誰もやってない、新しいことやんないと、この会社は一番を維持できないっていう。正しいですよね。

中島:それすごいビジョンですね

夏野:その97年に言い出しているわけですよね。

中島:いくつぐらいの人だったんですか?

夏野:おっさんね、当時いくつだったんですかね〜。60くらいじゃないですかね。尖っている人は、死ぬまで尖っていますから。銀座のクラブとか行くとね、70ぐらいの女口説いてますよ。毎晩着て、ガンガン酒飲んで。年齢関係ないです。20代でも全然野望持ってない人もいるし、70になっても女性、口説いてるのもいるら、まあいいんですけど。その時に、もう手段は問わないから、当時、通信業界にインターネット詳しい人誰もいなかったんですよ。実は僕はあのその前に、インターネットベンチャー立ち上げて、日本で初めてのインターネットベンチャー企業ですね。その後社長が社長失格っていう本を書くんですけど、その副社長やってたんで、だから一番インターネットの先駆けだったんですね。で、ネットをわかってる人間を取って来いって言ってとられた、つられたんですね。で、倒産しちゃったから僕の会社。だから、失敗したからなんですけど。人が揃ってるんですよ。もう手段は問わない。金はあるわけですね。で、金も、結構ごまかしが効いて、決裁権限がね、あの部長がいたんですけど、その人の決裁権限が9億9千万まで、相談しなくても使えるんですよね。だから伊藤忠の、テクノ、、、なんだ?

中島:CTC

夏野:CTCとネゴって、CTCってNTT の仕事、やったことないから、とにかく9億8850万とかにして、10億を超えるとめんどくさいって、で、やっちゃった。もう全部、自分たちが思うように作ったわけです。なんでそれができたかっていうと、誰も成功すると思ってなかったからなんです。そんな変な奴らが集まってやってるから、あの外人部隊と、志願兵って言われてましたからね。社内公募できた若い社員と、僕みたいな外人部隊、外人部隊と志願兵で新しいビジネスを作るから驚異にならないんで、ほっとかれるわけなんです。何か新しいことやろうとか言っても、 どうせ成功しないから、いいでしょうってほっとかれるわけですね。

なので好き勝手にできた。で、人と金。そこにちょうどネットが、まあいろんな形で、社会に入り込むタイミングだったんですね。実は日本のネットの歴史って、98年ぐらいから始まるんですよ。98年っていうのが、 Google が検索始める年だし、松井証券が証券取引を始めるとか、航空会社がインターネット予約は出来るとか、いわゆる、今できてることが出始めるのが98年なんですね。 97,96だと、これまたタイミング駄目だったんですけ、つまり技術が色々出てきて、一気にインターネットが社会に浸透するそのタイミングに、 人とお金があって一気にいっちゃったっていうのが、あの成功の最大原因だと思うんですが、その頃の世界の携帯電話市場はNokiaっていうダークサイドに堕ちた人たちの集団があったんですけど、このNokiaとか、エリクソンっていう人たちは、インターネットを通信業界に入れたくない派だっんですね。で、僕はインターネットと通信を融合させるのがミッションで、インターネット派なんで、だから勝手にやっちゃったんですけど、世界の通信業界が何で乗り遅れたかっていうと、インターネットが入ってくるのはまずい。NokiaのCTOにはっきり僕は言われたんですけど、「 Microsoft に乗っ取られたら困るからインターネットとはそのままつなげないんだ」って言われました。後にNokiaは Microsoft に買われます。

そういう状況でしたね

中島:おもしろいですね。その僕にとってみると、そのiモードっていうのは、本当になんか、一瞬でしたけど、日本がその後の世界をリードする大チャンスだったんですよね。

夏野:ただ、役員、20何人いて、英語できるのが二人とかね。NTT だもん。英語なんかできるわかないじゃないですか。2代目の社長は、一応エセ MBA を取ってるけど、試験を受けないMITのMBAとってんですけど、通訳使ってましたからね。また立川さんって言うんですけど。 だから、やっぱ無理でしょ。経営者じゃないです。サラリーマンです。 だから、その大星さんっていう1代目の人は、経営者でしたね。

中島:そうですね。

夏野:経営者でしたね。すごかったです。


フローチャートで、丁寧に全部書いて下請けに丸投げすると、下請けのコーダーと呼ばれてる人が1行100円で書くっていう、なんかもどうしようもない状況で、どう見てもそのフローチャートを書く時間で、僕はプログラム書けるなと思ってみて、やらせてくれって言ったら、「そういうことをやらせるために君たちを雇ったんじゃない」とか言われて、だいたい、その、ソフトウェアのアーキテクチャなんて、やっぱり作ってみないとダメなんですよ。だから紙の上にアーキテクチャなんか書いても、やっぱり実際作ってみると、うまくいかないので、作り直しっていうのが当然なんですけど、やっぱ下請けの人は上に向かって文句言えないじゃないですか。こんな仕様書じゃ作れませんって言えないですから、だから、黙って、どうせ1行100円なんだから、3行で書けるところを5行にしとこ、みたいなことしてるので、下は、良いプログラムができるわけないんですよ。っていうことで、悶々としていた時に、その元々アスキーでバイトしてたんで、アスキーで一緒に働いてた古川さんとか、成毛さんとかが抜けて、Microsoft Japan を作るって言ったので、いきなりその日経の記事を読んで古川さんに電話して「水臭いじゃないの誘ってくれないの」って言ったら「お前はエリートコースを歩いて言うからこんなところへ来ないと思ったよ」って言われたんですけど、行くことになり、そしたらもう大変でしたよ。教授からは怒られるが、もう本当にその研究所長まで来て、その「君は道を誤ってる」と。 NTT に20年いれば、年金も出るし、天下りもできるし、なんか全然説得力ないんですよ。なんかその僕にとっては、作りたいものがいっぱいあるのに作らせてくれないって悩んでるのに、20年後の年金とか天下りの話で、説得に来てもダメで、結局やめて、結果オーライで結構いいタイミングで Microsoft に入ったんですけど、なんだろうなあ、今もね、でも、日本ってやっぱりもう少しは増えてきたとはいえ、やっぱり、大きな企業に優秀な人がなんか眠ってるじゃないですか。

夏野:本当そうですね。で、なんで寝眠ったままなのかっていうのがね、これ日本の大企業優秀サラリーマンの法則っていうのが分かりました。
すごい問題意識を持って頑張るのが、頑張るのがちょうどね30代ぐらいなんですよ。20代はね、やっぱり、なんかいろいろ結構大きな会社にいると、結構自分ではできないような、大きな仕事を、自分個人じゃできないような、あるいはベンチャーじゃできない大きな仕事を、与えられたりするんで、結構それはそれで給料と関係なく、コンペンセーションとは関係なくやる気満々なんですね。
30になると人が使えるようになるので、30代になると、まさに自分が会社回してるぐらいの、俺は給料でお金なんか関係ねぇんだと。この大きな仕事が、俺のミッションだって思って頑張るわけです。
で、40過ぎると、急にですね、あれ、これくらいしかやってないのに、こんなにもらっちゃっていいのかな?っていう、あの価値観逆転するんですね。
だから、30代ぐらいまでは、俺は絶対、会社でこんな安い給料だけど、俺が会社に貢献してる価値はすげー!俺なんかいつでも辞めてやれるから、とか言っているのに、40超えた瞬間に、あれ?これで、これだけのコンペンセーション貰えるんだったら、このまま入ると楽かもなしかもなぁ。しかも、まだあと20何年ある、みたいな、そういう、しかもちょうどその頃にね、家族ができたよ、奥さんがめんどくさいこと言い出したりとかね、結構、奥さんが「大きな企業にいてくれ」とか頼まれたりね。色々出てくるんですよ、しがらみが。
娘の学校が入学が近いとかね、そうすると、なんか企業にいた方が有利かもしんないとか。くだらない色々なしがらいが、ふと出てきて、ふと気づくと、なんか会社から貰ってる価値の方が、自分がやってることより大きいかもって言う時が来るんです。それがほとんどの、サラリーマンの実態です。
そのまま50を超えるとですね、同期で一人か二人役員が出で、あとは全部出向になんですよね。あれ!?ここで、こんな人生のはずだったんだろうかっていう時には、もう後は、何か、出向先の企業とかで65まで職業が安泰みたいな。もう、なんか飼い殺し人生ですね。

中島:そうですよね。で、ちょっと話はそれちゃうけど、僕はその、さっきおっしゃってた、生産性が上がってない原因の一つが、実は解雇規制にあるんじゃないかなと。

夏野:まさにそう!
だから僕は、実は経産省とかでも言ってんですけど、政府の委員会で、ものすごい言って、議事録に絶対の残らないんですけど、実は日本に必要なのは、非正規雇用をなくすことじゃなくって、正規雇用をなくした方がいいんじゃないかと。つまり、最長雇用契約10年までっていう制度にした方がいいんじゃないか。公務員も含め、って言ってます。そうすると、契約更新は10年ごとにあるんだけどね。

中島:テクノロジーのおかげで、今まで3人でできた仕事が、一人でできるようになると、生産効率3倍になるじゃないですか。アメリカとかは、それを平気でしてるので、どんどんの生産効率がるんですけど、日本は人が切れないので。

夏野:ちなみに言うと、もうここにいらっしゃる方が生きてる間は、日本は労働力不足のまんまです。だから今、失業率がですね、3%切っちゃって、もう完全雇用状態ですけど、これはもうあと30年から40年は続きます。
自分の声きくの、嫌だね。
なので、実は全然心配する必要ないんですよ。仕事にあぶれる心配は全くない、全くないんです。だから、今はすごい好機なんですよ。この解雇規制、一気に緩和しちゃう。ただね、これに反対する人たちがいるんだなあ。枝野さんとかね。あの、今の日本の政治家は、やっぱり支えられているのが高齢者なんで、高齢者の人たちはね、企業は悪って言う、朝日新聞的カルチャーにすごい浸っちゃってるんで、利益は悪、経営者は悪、何もしなくても、ちゃんと労働者が、すごくなんか緩やかに働いてて、効率悪くても、緩やかに働いてるのが素晴らしいっていう価値観なんです。

中島:最近、なんか労働組合とかが、なんかちょっと、何て言ったらいいんだろうな、自分より下がいると満足しちゃうみたいなのもあって。

夏野:今、労働組合の話出たんで、面白いんですけど、あの某、今期最高益を出しちゃって、威張っている家電メーカーっていうか、 AV メーカーあるんですけど、こないだね、面白いことを聞きましたよ。なんと、正規社員の管理職比率が40%なんだって!40%も管理職がいて、ほとんどマンツーマンですよ、1:1.5だからね。誰を一体管理しているんだ、みたいな。つまり、その管理職は労働組合なんですよ。普通、管理職って労働組合に入れないはずなのに、役員じゃない人、みんな労働組合だから。つまり、労働組合が管理職の、生産性の低い管理職を存続させるために、労働組合があるみたいな。
若年層の労働組合参加率は、どんどん下がってますから。くだらない運動会とか言ってね。みんな嫌がっているわけですよ。だからもうなんかめちゃくちゃですね。

中島:野球のベンチに、なんか監督とコーチばっかりいるみたい。

夏野:そうそうそう。

中島:ちょっとね。

夏野:すごく面白い状況になっています。

中島:その失われたこのまま30年40年になりますかね

夏野:ここはすごく難しいとこなんですけどだいぶ変化の兆しは見えているんですが後はその痛みっていうことに対してどういう風にその反応するか。
だから今安倍政権はすごく盤石なので結構改革が出来てるんですね。
働き方改革って3年前には絶対的出来ないって言われてたんですよ。
もう今すごいことなってるじゃんってみんな帰れ帰れ。これはね日本はやっぱり制度とか法律からいじってくとできるってこと証明してて、安倍政権あと3年続くってこのあいだになにができるかですね。これで一回安倍さん終わったら自民党の人になろうが、野党の人はないと思うけど自民党の人次はもうちょっと脆弱になると思うんで今みたいに社会改革できないんですよ。今いる人たちのコンセンサスで動いてる時には絶対に無理な。
狂犬だとか言われるぐらいの時じゃないと制度改革できないのであと3年で何できるかですね。ここはすごい重要だと思いますね。

中島:解雇規制?

夏野:解雇規制はやってほしいですね。

中島:できるかな?

夏野:できるかなちょっと難しいかもしんないけど。ただの状況はいいです。だから僕はベーシックインカムとかの導入とセットで解雇規制やるといいと思う。解雇規制の緩和を。
でも全然。あと最低賃金をもっと引き上げても良いところです。

中島:そうですか?

夏野:全然だって今人手が足りないし、もっとがんがん引き上げていいと思います。
フランスしってます?フランスの過去同じ期間今さっき1996年と2017年で日本の GDP 0.8%しか増えてないっていう話ましたけど、実はフランス40%増えてるんですよ。フランス経済規模1.4倍になってんですね。だけどフランス人全然働かないですよ。週35時間ですからね。残業絶対しないしね。夏休み一か月取りますよね。そんな1600時間で GDP て1.4倍になってんです。だからもっと単価上げて時間短くしてこれ生産性ですね。
やれば日本はねみんなで副業やればいいんですよ副業。

中島:そのずっと思ってるのは、さっきの経団連の重鎮の話じゃないですけど。いつまで茹でガエル状態って言われてる企業がずっと残ってるじゃないですか。あれはどうしたらいいんでしょうね

夏野:あれはね難しい。
茹でガエル残してるのがだいぶ淘汰されましたけどね。あのシャープはもう台湾企業だから日本企業じゃない。東芝も空中分解してるでしょ。でどんどん売ってるでしょ。だから、今の政府系のファンドは悪だみたいな感じでメディア言ってますけど、実は産業革新機構ができたことで、産業再編はやりやすくなってるんですよ。ただ今の産業再編てダメになったところを再編してんですね。だから今更液晶画面の JDI って作ってももうtoo lateなんですね。
今やるべきは自動車メーカーを三つにすべきですよ。 だって無理じゃんイスズとかスバルとかさ。だってもう無理じゃん。であそこダイハツとかもトヨタの傘下になってんのになんで社長と役員がいるんだよ。思いません?

中島:でもそれは天下り先が必要とか色々事情もある。

夏野:だからそこが非効率なんで。一気に国の金使ってでも再編させる。
やる気がある経営者だったら、例えばもしゴーンさんがまだギリギリ最後の三菱やってるからね。ゴーンさんはやってるわけですけど。イスズとマツダも欲しいって言ったら国が金出してもいいと思うんですよ。試験バックアップして。でそれでも一つにまとめるとまず、これ面白いんですけどね。役員の数がだからまとめた分だけ生産性上がりますから。
だから例えば20人の役員でよければ、今60人いるんだから3社分20人になるんだから。管理職もでしょ。
今日本に炊飯器メーカー何個あると思います、皆さん?炊飯器の市場なんてたかだか年間1000億も多分ないと思うんだけど、10社ぐらいあるんですよ。東芝日立と原子炉を作ってるメーカーから始まって、パナソニック、シャープに何とかして。確かに原子炉の構造と炊飯器の構造は近いってら近いで最後の最後に行くと象印タイガーまであるんですね。ところがどこの会社を見ても。企画とか生産にかかってる人は3割ぐらいしかいないんですよあと7割は何やってるかと営業と総務と人事課とかいてなくても全然変わんないような人たち。
これが7割なんですよ。だからもし10社ある炊飯器メーカーが2社に集約されたらどうなるかって言うとその残った2社の開発要員が5倍になって、で間接要員と営業要員は今のままだから産業全体で言うと5分の1になる。
そしたら何考えるかって言ったら当然世界出てくでしょ。だって僕タイガーのね素晴らしいあの15万のね買っちゃったんですよね。あの佐々木希ちゃんが宣伝してた、めっちゃくちゃ性のいいですよ。もちもち。これすげーと思ったら6ヶ月後にパナソニックが同じ価格帯で似たような商品出してくるわけですよ。お前パナソニック電池やってりゃいいだろうと。何でお前パナソニックが炊飯器作ってんだよとか思うんだけど、そこ整理しないんですよ。
経営者。それは解雇規制の問題もあるし、そこでやってる人がいるからって言うんだけど。
僕は携帯作ってた時はね同じことを聞きに来るのに営業が各社の営業が来て、俺んとこに来て、何言うかって言うと飲みに行きましょうと、それとゴルフ行きましょうね。もうふざせてる。飲みに行く予算つく前から連れてかれると不味くて。食ってどうしようもない酒もまずいし食事もまずいしさ。中途半端なのなだまんのセカンドみたいなとこに連れてかれるから、もうメーカーの人とは飲食はしないって決めてとかやってたんだけど、もうほんといらない。あの営業と総務と人事と、経理は全部コンピュータがやってくれるから。
だから産業再編をまだ死んでない産業で一気にやるっていうのをやってほしいな。

中島: 今の日本の横並びの同じもの作るのやめて欲しいな。

夏野:ダイソンに任しときゃいいと思いませんか掃除機は。ほんと行くとねダイソンそっくりな掃除機がねパナが作ってる。もう真似したって言ってんのはもうさ昭和でも終わりでいいじゃないですか

中島:その iPad は出た時に某パソコンメーカーの事業部長さんに相談されたんですよ。
で相談してって喜んで行ったらうちもタブレット作りたいと。だからちょっとアイデアをくれって言うんでね。まあにあげるのはいいけど何で作るかを教えてくれよと。
そしたらうちパソコン事業伸びてないし、結構エンジニアいっぱいいるし、だから結局エンジニアがいるから作るんですよ。全然そのタブレットを作ったことによってどんな世界を作りたいとかがない。だからどういう 使い方をしてどうして欲しいってビジョンがない。
自分はパソコン作ってたし、エンジニアもいるしてアップル iPad 作ったから僕らもタブレット作りたいで作ったね当然のように大失敗ですよ。なんかそれはねなんなんだろうね。

夏野:ただねぇ、僕はやっぱり1番になれないことをやってもしょうがない派なんですけど、日本の経営者の中にはうまくいけば必ず1社では独占できないから2匹目3匹目4匹ぐらいまでは行けるって信念持ってる経営者多いんだよね。同じようにやればいいから、これが一番楽だと。これは若い経営者でもいっぱいますよ。だからみんなFXに行ったりするでしょ。

中島:そうだね。

夏野:あれはねぇ。二番煎じの方が事業確率として良いっていう算段をしている。こういう人とは俺は話が合わないんだけど、そういう経営手法なんだと最近分かりました。でもコイツには何も生み出せないなぁと。でもそういう人に限ってね。”インターネットで世界を良くする”とか会社のビジョンになってたりするんだ。面白いですよ。

中島:僕、さっき経団連の重鎮の悪口も言ったけど、実は日本のベンチャー企業に対してもちょっと言いたいことがあるんですよ。それは、お前らビジョンがあるのかと。
僕は“ビジョン“というこの言葉をちゃんと広めたいんだけど。ネット企業にビジョンがあるかどうかを判断する一番の方法があるんですよ。結局、ビジョン持ってるって事は、どういうライフスタイルをして欲しいとか、どんな価値を提供したいとか、どんな社会にしたいとかっていう熱い思いがあるってことじゃないですか。ビジョンがない会社っていうのはとりあえず儲かることやるんですよ。搾取だろうと何だろうと。その典型的なビジネスが FX とガチャと仮想コインですよ。だからその3つに手を出してるベンチャー企業はビジョンがないんですよ。すごく悲しいですよね。
でね、mixi にとっては、 Facebook が伸びてきて生き残るにはそこに走るしかなかったのかもしれないけど、ビジョンがないのかって言っちゃいますよね。だから、僕はメルカリの経営者の人は知らないですけど、絶対にその3つには手を出さないでくださいね。僕はメルカリが好きだから、その3つがどんなに儲かろうと、自分がなぜ作ったかっていうの忘れないであの路線で頑張ってほしい。アナリストやMBAが必ずいろいろと言うと思うけど、その三つはだめですよ。パチンコと同じ搾取産業なんですよ。ビジョンなき金儲けに走るベンチャー企業は悲しい。儲けるなとは言わないけど、もう少しビジョンのあることをして欲しいですよね。やっぱりそういう熱い思いに人が集まってくるし、お金も集まってくるので、そこは頑張って欲しいですよね。

夏野:あとね。今日この場がいいなって思うのは年代もバラバラですよね。でっ、日本ってベンチャーであっても、なんか社長の年齢で層がきられているんだよね。20代社長の会とか30代社長の会とか。なんか、自分よりも能力的に上の人を取りたくない人が多いんですよ。孫さんだってあの笠井さんっていう爺ちゃんが CFO をやってたから良かったんですけど。経営陣って年代も経歴も経験も多様性があるほうが絶対強いので同世代だけで過ごし易くやってるのはよくないなぁと思います。シリコンバレーに行くとその辺はめちゃくちゃです。だいたい外見では何歳かわかんない。こいつ相当上だぞと思ったらまだ40とかいるし。

中島:アメリカって人を採用するときに年齢聞いちゃいけないんですよ。

夏野:いけない。

中島:法律で決まっていて。そもそも履歴書みたいなフォーマットはないけど年齢聞いちゃいけないですね。本当は性別も聞いてはいけないぐらいかもしれないですよね。

夏野:性別は見るとわかる。最近はわからない人もいるんだけど。だけど、年齢とか経歴とか単一化しようとする傾向が大会社だけじゃなくてベンチャーにもありますね。メルカリなんかも60ぐらいの経験豊かなシニアな奴も混ぜればいいのにって僕は思いますけどね。

中島:特に経理なんかはね。

夏野:あと、人事系とかね。


中島:さて、次の話は自動運転車の話をしたいんですが、私自動車業界でもやってるので。その自動車運転が実用化された世界で世の中変わると思うんですよ。やっぱ自動車は持つものから必要に応じて呼び出して使うものになるし。

夏野:それでね。その自動運転がもたらす社会の話をする前にですね。そこに至る道をどうつくるかっていう話をぜひ。実はね、これが重要だと僕は思ってます。中島さん僕もテスラドライバーなんですよ。僕はもうテスラを4年乗っていて、もう高速道路は完全自動運転ですよ。テスラは。僕は湘南藤沢キャンパス行くんで、東名でずっとメールを打ってますからね。自分で運転するよりはるかに安全ですよ。絶対ぶつからないし。絶対横にもそれないし。ずーっと定常スピードでね。フリーウェイなら全然問題ないじゃないですか。

中島:放送中ですけどいいんですか?そんなこと言っても。まぁ、いいですね。ネット放送だし。

夏野:ところが、一般道は本当に自動運転がワークするかってというこの命題。

中島:難しいですよね。

夏野:そうなの。でっ、もしかしたら日本の本命はレベル3とか4じゃなくて。トヨタがパレットかなんか言っていて30年後にそれ目指すのはかまわないんだけど、過渡期はずっとレベル2.5でいいんじゃないかと。

中島:あぁ、そういう考えもありますね

夏野:レベル2.5って何かというと高速道路は完全自動運転を前提として作るけど一般道は自動運転じゃないことを前提のまんまやるみたいな。

中島:テスラはそうですね。

夏野:でっ、なんでかって言うと道路交通法なんですよ。だって道路交通法ほど守られてない法律はないですからね。でも自動運転車は道路交通法通りに走るんですよ。つまり自動運転車が1台いるだけで大渋滞になります。おばあちゃんが歩道の脇に立ってるだけで全部止まります。
でっ、おばあちゃんは実は電話してたみたいな。こういうことが起こる。つまり、教習車が溢れるってことになります。これはねぇ、もう大混乱です。 こういうことを分かっていて日本の自動車メーカーはレベル3、レベル4が本命だとか言ってんのかと僕は聞きたい。
レベル2.5にチューンした技術開発と、レベル3、4を本気で目指す技術開発は全然違いますからね。

むしろレベル2.5を目指すんだったら高速道路側とか ETC のレーンとかのあり方も全部変えていけるんで、だからレベル2.5社会をまず1回目指し、その後にレベル4やった方がいいんじゃないかと思っているんです。

中島: 実はわたしがシンギュラリティソサエティを始めた時に、メンバーがやってもらってもよいんだけど、実際のプロジェクトをいくつか立ち上げて、それを実現するための設計をしソフトウェアを作りあげて出来ればサービスまで持ってくってことしたい。その一つを私はバス2.0って呼んでるんですけど、その乗合バスサービスなんですよね。

まず技術的な問題を除き、法的問題も無視し、自動運転が実現され、法規制も解けた時の世界を考えると、要はボタンひとつで、スマホアプリを使ってもいいし、Amazon ダッシュボタンみたいな病院ボタンていうのあってそれをおじいちゃんが押すと車がパット迎えに来てくれて病院まで連れてってくれるって言う世の中。それは技術的にも法律的にも乗り越えさえすれば10年後にはやってきてもいいんだけど、多分それをちゃんと自動運転で作ろうとすると10年じゃ作れないと思うんですよ。特に一般道の問題があるから。

で、みんなやっぱ自動運転とか目指して作ってますけど、その本当の意味での自動運転のメリットが出るのはもっと先になるような気がするので、今言ったようなサービス、Amazon ダッシュボタンみたいな病院ボタンを市町村が配っておじいちゃんが押すと車が迎えに来てくれるって言うサービスを人間が運転する車で作れないかな。

夏野: Uberですよね。Uberってほとんどそうですよね。

中島:Uberって、日本に入ってこれないですか。

夏野:川鍋ですよ。川鍋。日本交通の川鍋がロビーイングしてるからですよ。

中島:なので、NPOという敵対しない、そのなんて言うの。

夏野:ただ、僕は、例えばね。高速道路の自動運転レベル2.5を全ての商用トラック飛ばすに義務付けるとかを日本がやったら一気に進化すると思うんですよね。

中島:あっ、僕、5年前から言ってる中島ノミクスっていうのがあって、今からでも遅くないんだけど、2020年オリンピックの年からは第二高速は自動運転付きの車しか走れないっていう法律を今作るんですよ。本当は5年前に作って欲しかったんだけど。

それを作ったら世の中変わりますよ。すごい進化圧になって自動車メーカー頑張るしかないじゃないですか。特にトラックとか。それこそ政治がやるべき仕事だなと僕は思いますけどね。

夏野:ただ、政治家も政策をつくる時はまずヒアリングするんですよね。経産省の自動車課の課長とかと話するとそういうアイディアはいいですねと言って、今度はの自動車会社を呼んでヒアリングしちゃうんですよ。そうするとトヨタの人とかが、”いや、レベル3,4をきちんと目指すんでそんな余計なことしてくんなくても大丈夫です。”とか言っちゃうんですよ。だからこの関係者ヒアリングっていうのは、利害関係者なんでしちゃいけないそうですよ。

中島:そうですよね。無理やり進化圧ってのは外からかけるものですよね。

夏野:そう。業界の中の人にヒアリングして、しかも課長って2年単位変わっちゃうんで、またもう一回ヒアリングするんですよ。2年毎に。だから、なかなかね。思い切った政策が出ない。政治家は分かんないんで。どれが本当で何だかよくわかんないから。

中島:日本で突然外圧とか使うじゃないですか。あれも嫌ですね。

夏野:それも、良い意図を思って使えばそれで変わったりもするから。

中島:そういう意図の為の道具になってみてもいいですよね。NPOとして。

夏野:だからその政策提言をバンバンするべきなんですよ。急に菅さんが言い出したでしょ。携帯電話会社は儲け過ぎだ。あと4割下げろって。あれずっと、俺、この4年ぐらい言い続けたのが届いたのかなと思って。

あの兼業規制の禁止。あれも僕、4年くらい前から経産省の委員会とかで言いまくってたんですよ。別に俺のアイデアを取ったとは誰も言わないけど、なんとなくそういう方向になったりするといいので。我々がここでガンガン言ってると、どっか巡り巡ってね、反映される可能性があるっていうのはこのソサエティにすごく期待してることです。

中島:なんかつくりましょうよ。

夏野:もうガンガン出してね。政策提言。

中島:ほら、陰謀論で言うけど、まぁ本当なんですけど。アーミテージ・ナイ・メモっていうアメリカのコンサルタント会社が書いたメモに、自民党が従って政治をしてるとか言われてるけど、なんで外人なんですか。

夏野:いや、別にそれは多分、その分野のことはそっちの方が信憑性があるのかもしれないし。僕も結構渡してたりしてますよ。僕、こういうふうに考えてんですけどって。今、僕、いろんな自民党の政治家に渡してるのは、消費税増税2019年って微妙になってきてるじゃないですか。
”微妙になってきたらいっそのこと軽減税率を1回チャラにして、全ての電子マネー決済とクレカ決済、つまり記録が残る決済を8%のままにして、全ての現金決済を10%にすれば一気に電子マネー国家できますよ”って今言いまわっている。

中島:頭いいですよね。

夏野:あんなもん。外食の場合は10%、家に持って帰ると8%とか意味不明じゃないですか。新聞が8%なんてありえないし、KADOKAWAのここで言うのもなんだけど出版社が何で軽減税率なんだ。ふざけるなみたいな。

中島:関係者にヒヤリングしたからじゃないですか。

夏野:そう。関係者にヒアリングしてるからなんだけど。ということで、そういうのがいいんじゃないかなと。なんか全然採用されなくても言い続けてると、いいなって思う中核にいる人が捕まったら結構行きますよ。ブレイク。だから、皆さん、ここからいっぱい発信していきましょう。
中島:そういう賢い仕組みがいいですよね。

中島:次の話は、自動化と自働化というか、人工知能によって仕事が無くなるとか。

夏野:でもね、よく考えてみてください。今、ここにいらっしゃる皆さんは、多分ね、今、年間の労働時間、2000時間ぐらいでしょ?で、もうすでに仕事は無くなってるんですよ?昔の江戸時代とかって、多分、年間労働時間は5000時間、超えてたと思うんですよ。我々8650時間しか、一年に持ち枠は来ないでしょ。よく寝てる人で3000時間でしょ?8時間寝ると3000時間なんですけど、ということは5,000時間でも、もう今やもう働いてる時間、電通以外はみんな1800時間から2000時間でしょ?もう働き方改革で。何か3000時間は遊んでんですよ、皆さん。くだ巻いて。
もう、ますますこれが「1000時間になってもいいじゃん。」と思えば、思えばね、仕事を失ってんじゃなくて、もう、何か他のことをやる時間が増えてんだって。皆さんが、他の事をやるって事は、また仕事を増やすんですよ。だってシューティングゲームなんてね、2000年前には生まれないですよ、だってそれが仕事だから。でしょ?ディズニーランドなんてね、文明が省力化によってもたらされた、自動化によってもたらされたレジャーなんですよ。どんな AI の時代になったってキャバクラで生身の女の子と飲みたいですよ。でしょ?そこは減らないしないし。人が時間ができると、そこに産業が生まれますから、いいんです。大丈夫。 何の心配もいらない。

中島:じゃ、そのユニバーサル・ベーシックインカムとかいらない?

夏野:ベーシックインカムは僕は入れた方がいいと思ってます。何故かって言うと不安を除去するから。不安を。例えば今、少子化な話でますけど、少子化がなんで起こってるかって簡単ですよね。女性にとって、子供を作るってことは経済的に収入が減るってこと意味しちゃうからです。でも、ベーシックインカムもね、子供の数に比例して増やすベーシックインカムにして欲しいんだ。一世帯あたりじゃなくて。

中島:そうですね。一人当たり。

夏野:一人当たり。それで子供3人ぐらいいると、なんかすげー悠々自適生活できるとかいうのは最高だと思うんですよね。

中島:あのウチ、5人も子供にいるみたいな?

夏野:5人も子供いるから超リッチだぜ!

中島:新しい車買ったみたいな!

夏野:そうそうそう!

中島:もう一人産もうぜ!みたいな!

夏野:いればいるほど、もう何かスゴイみたいな。
それが何でかって言うと、「経済的な不安があるから、やっぱり子供たくさん作ったらまずいかな?」って思うバリアがある。これはもう間違いないですよね。今日本にはですね、シングルマザー、シングルペアレントっていうのが大体150万世帯ぐらいあって、そのうちの親と同居してない、つまり本当に一人親で育ててる家庭ってのが85万世帯あって、この85万世帯の、もう8割以上が貧困世帯なんですよ。それ見ていると、女子は産みたくないよね? なるべく先送りしたいっすよね?35才ぐらいに、なってくると急に「やっぱり1人ぐらい子供作った方がいいかな?」とか言って、治療始めちゃうんですけど。そういうのがいびつなんですよ。これ経済なんですね。やっぱり、だからベーシックインカムみたいなものは絶対必要。種としての日本が存続するために。

中島:まず子供だけのベーシックインカムがいいかもしれませんね。

夏野:子供世帯?あぁ、まぁそれも有りかもしんないけど、まぁ、あの病気とかね。他のこともあるんで。ベーシックインカムを入れたらいいと思いますよ。あの人頭制で。

中島:教育はどう思います?

夏野:これから教育はもう今はもうどんどん無償化は進んでるから、子供が少なくなってるからも、無償化もできるんですよ。だからは事実上、今、東京私立高校も無償化されましたから。日本の国立大学なんてほとんど無償みたいなもんですよね。
だから日本の場合は、大学までほとんど無償っていう人、いっぱいいる。
公立高校、公立小学校、公立高校で公立大、国立、公立行っちゃえば、ほとんど無料ですよ。

中島:でも、あまり大学生、勉強しないですよね。日本はね。

夏野:だから、それは企業の問題だと思っていて。企業が何を勉強したのか、とかは関係なくなったから。だから、日大のアメフト部とか絶対押しちゃダメですよ。あ、分かんないかな、中島さんはわからないかな。体育会系とか撲滅した方が良いと思ったんですよね。

中島: はははは。

夏野:いらないもん。

中島:でも結構体育会、就職でいいんですよね?

夏野:でも、繋がりあるから、でも勉強しない典型ですよ。
体育会系の奴は。僕の授業にもいますけど。全然勉強しないもんね。でも出席はするんです。寝てる。だから大学の成績っていうのは、アメリカでは結構どこの会社に就職するにも、もうやばいですよ 。GPA どれくらいいって。日本は関係なから勉強しないの。

中島:大学出てると差がつきますよね。すごくね。アメリカの大学で、、、。

夏野:で、良い点で上位5%入ってたりすると、イヴァンカはそうなんだけど、ユーペン、ペンシルバニア大学の上位5%に入っていますからね。あれは頭いいんですよ、親父と違って。


中島:今度は貧富の差と民主主義。人工知能に限らないんですけど、テクノロジーが進化してきて一人当たりの生産効率が上がってくると富が偏ることになるじゃないですか。その機会をうまく使った人経営者にお金がいく。

夏野:それは日本のような税率の高い国ではあんまり起きないと思いますよ。今、日本社会ってどういうことになってるかって言うとですね、年収3000万円ぐらい超えたとこから殆ど50%ぐらい取られてるんですよ。税金で。これが何を意味してるかなんですけど、年収1億とか言うとなんかすごい人とか思いません?でも東京に家建てられないすよ。たまんないから、全然。
それに対して親が東京の一等地に家を持ってたりすると、もう年収一千万でもそのお金全部使って遊べるから、すごいリッチな生活ができるんですよ。
つまり、日本は所得格差は大したことないんです。資産格差の国なんですよ。だから、学生とか見てても面白いですよ。親が資産を持っているか持ってないかで、下宿はしなくていいわ、家帰ると三食全部ついてるし、いいとこ住んでてとか。もう20代とかだと実家から出ないですよ、みんな。
一ヶ月30万あったら結構遊べるよね。
そん中から家賃出したりなんだりしてたらもうとんでもない訳ですよ。どんなに自分の力があっても年収1億円以上の人っていうのは今日本で300人ぐらいかな。上場会社1億以上だと全部も名前でちゃうんで。自己経営の人がいると思うから何千人かしかいないでしょ。でもそういう人たちも昔からの名家には絶対勝てないって言う階級社会なんですよ。この国は。
でっ、これを何とかしようと思うと唯一の手法は起業で。中身どうでもいいから IPO をして株でやる。
これが今のベンチャー企業の経営者のマインドセットです。

中島:だからFX。

夏野:うん。FXだろうがなんだろうがもう上場できりゃいいよ。だから今AIベンチャーとかいっぱいあるけど、これAIか?っていうのいっぱいあるでしょ。でもAIって言うとバズるからとか言って、上場目当てだから。今はもうあれですよ。ブロックチェーンですよ。それブロックチェーンか?みたいのがあるんだけど、もうブロックチェーンブームでしょ。それは、資産を持ってる家に生まれた鳩山さんに追いつくための唯一の手段が上場なんですよ。

中島:ちょっと、悲しいですね。

夏野:いや、でも本当にそうなんですよ。でっ、アメリカの企業が結構すぐ潰れちゃうじゃないですか。結構すぐ。GEなんてあんなに凄かったのに、なんでこんなダメになっちゃったんだ。あれ簡単なんですよ。利益が出てる時に株主と従業員にバンバン分配するんです。バンバン。だから、すごい絶頂期のモトローラなんかに入った社員なんか、普通の社員とかで10億とか20億とか全然持ってるやついっぱいいるんですよ。

中島:Microsoftもそうでしたよ。

夏野:なんでかって言うと、利益が出てるとそれを社員と株主に配当しと言って還元しちゃうんですよ。日本の会社は今ね、上場会社の内部留保でなんと400兆円超えちゃいましたよ。でっ、僕なんか1兆7000億収入稼いでたんですよ。あのi-modeの時。で給料は2千万。ストックオプションなし。分配しないの。

中島: あんまりちゃんと言う人はいないけど、例えばマークザッカーバーグがべらぼうに金持ってのは分かるじゃないですか。でも実はそれだけじゃなくて、多分そのFacebookに勤めてたおかげで1億円以上の財産を作れたのはたぶん5000人ぐらいますよ。

夏野:うん、いると思うなぁ。

中島:Microsoftも5000人は確実にいると思う。

夏野:もっといるんじゃないですか。本当に短期間しか勤めてないけど、セールスの仕事で結構成果出したやつとか3億円とかもらってたもん。

中島:それは本当に普通に起こっているんですよ。別に有名な人じゃなくて。

夏野:全然誰も知らない人よ。でもそういう感じ。今、僕はOracleの取締役やってるんで。Oracleなんかも。外資系に入ると本当にそういう億単位のストックオプション普通に出てますよ。だから日本企業だけなんですよ。その全部溜め込んでて出してこない。配当もしないし、分配もしない、だから潰れない。

中島:僕の仲のいいエンジニアでちょうど90年代一緒にMicrosoftにいて、僕は自分で会社作ったんだけどそいつは2000年に Google に転職し、2005年にFacebookに転職し。もうやたら美味しい思いしまくりですよ。その普通に日本で真面目に働いで生涯賃金みたいのを…

夏野:そうですね。ただね、それすごく羨望の的なんで美味しい思いしまくりって表現を中島さんはされたけど。日本では美味しい思いしまくりっていうのは、全然実績がなくても安定してることを美味しい思いと言うので。その人の場合、やっぱり実績があるから採られるわけじゃないですか。だからちょっと美味しい思いの概念が日本とアメリカ全然違うの。
能力なければね、本当にあっという間にクビになるし。いいんですよそれで。 向き不向きもあるし。

中島: でっ、こういう話になるとちょっと持ってきにくいんですけど。貧富の差が広がると僕は民主主義の危機じゃないかなと思うのもあるんですよ。やっぱトランプが大統領になったのは結構僕にとってはショックで、あんな奴がなるわけないんですよ、本来なら。

夏野:ただねー、僕も同じ大学なんですよ。ユーペン(ペンシルバニア大学)なんですよ、トランプって。僕もユーペンなんで。

中島:同じ大学。

夏野:同じ大学だから言うわけじゃないけど、やっぱりアメリカの政治の仕組みって大統領に権限は集中しているんだが、だがね、例えば外交で言うと結構うまくいってるじゃないですか。
トランプ外交素人だから結構マティスさんに任せちゃったりするからさ。だから、結構オバマがなかなか決断できなかったことをバンバンやったりしちゃうんですよ。
だからシステムって面白いのは、やっぱりシステムをどういう風に作っておくべきなのかなと。あの内政は混乱ですよ。だから米中のあれもめちゃくちゃですよ。めちゃくちゃなこともいっぱいやってんだけど、関心ないところは結構うまく回ってるんですよ。

中島:そうですね。

夏野:トランプが関心なければ、結構そこを上手く回っているんですよ。

中島:わかんないからね。

夏野:わかんないから。これは面白いなー、面白いことが起きるんだなっていう目を持っています。でっ、トランプがわけわかんないことやってるのは、日本にとってはすごいチャンスなんですよ。

中島:そうですよ。

夏野:今だってG8とかサミットとか行ったら安倍さんの存在感めちゃすごいですからね。あのトランプに鈴つけられるのはミスター安倍しかいないんじゃないかってみんな思ってますよ。あのマクロンとか。あのカナダの若い首相とかを、めっちゃ馬鹿にしてるんですよね、トランプって。
そんな政治しかやってこなくて、全然金も稼げないヤツが何だって。だから安倍さん、鈴をつけるのにすごい良い立ち位置にいるんで。これはちょっと日本チャンスなんだよなぁ。

中島:うん。でっ、トランプは今までの大統領が壊せなかったことを壊せる人なので、色々チャンスではありますよね。

夏野:結構トランプさん一期で多分終わると思うんで。もう自分の代わりにイヴァンカを立てるかもしれないんで、日本はこの間に早くいろんなことで主導権をとって欲しいなと思いますね。

中島: はい

中島:次は、監視社会とプライバシー。中国、すごいことになってますね。

夏野:あの、これね、皆さん、どう思われてんのかなと思うんですけど、逆に言うとですね、日本も監視社会です。

中島:自動車のが、すごいすよね、今。

夏野:監視社会っていう意味では、個人を特定して、貶めたり、なんだりって意味では、日本では文春砲っていうのがありしてね。

中島:ははは。

夏野:テレビに出てる人間の、不倫そんなやばいかっていう話なんですよ。
そんなミュージシャンが、ベッキーと不倫してたことが、そんなに大きな問題かっていうぐらいに、書かれちゃうですね。これは中国の監視社会と全く一緒で、中国、いろんなとこにカメラあるでしょ。で、日本人の有力なビジネスマンが、どこの女の子とホテル入ったとか全部持ってますよ。履歴。全部。携帯の誰と誰が交信したっていう、主要人物の携帯電話、全部ウォッチしていますからね。
だから、あの中国の起業家とかって、1ヶ月単位で買える、香港の市場から買ってきたような携帯と、自分の携帯をちゃんと持ってます。二つ。スマホも。
だから、中国政府がトラックできない可能性が高いやつと、別々に持ってる。弱み握られるんで。このプライバシーの問題っていうのは、一般市民である限りどうでもいいんですよ。悪いことするやつか、有名になった人がやばいんです。
ていう話を、なんか朝日新聞が仰々しく報道するから、一般人である限り、お前が全然大丈夫だよっていうような話まで、プライバシーっていう国になっちゃったんですね、日本。だから日本やばいです。皆、普通の人のプライバシーは、ものすごいマイナンバー隠したりして、守られてるかもしんないけど、ちょっとでも有名になったりちょっとでも尖ったりしたら、もうプライバシーないですよ。

中島:夏野さん、駄目じゃないですか。

夏野:僕ダメですよね。だから、うち、文春来ちゃったんですよ。

中島:きちゃったんですか?

夏野:ピンポーンって。 何の話かと思ったら、弟の話でした

中島:嫌ですよね。家族のこと。

夏野:弟のセクハラの話か、なんかできましたね。うち。僕なんか狙われるからやばいです。

絶対、女の子と二人でご飯食べに行けないですよ。四人でいきます。

中島:わかりました。
仮想現実と Amazon 。少子高齢化の話をしなきゃいけなかったんですけど、せっかくなら一緒に、最近なんだっけ、バーチャルワイフみたいな出たじゃないですか、日本で。このくらいの。

夏野:はいはいはい、ワイフっていうか、3Dで話しかけてくれて、つまり、 Amazon Echo がリアルな、3D 画像の女の子がAmazon Alexa チャンになってるみたいな感じね。

中島:いかにも日本ですよね。 Microsoft も、Microsoft Assistant っていうのを作った時に、日本はなんかすごいかわいい秘書キャラだったのに、アメリカはセクハラになるのは嫌だから、クリップだっけ?何か情けない話なんですけど、でもあれは日本ならではかなと思うけど、そういう仮想、別にバーチャルリアリティである必要はないんだけど、仮想現実とか、そういうものに、そもそも二次元の女の子の方がいいとか言う男もいるぐらいだから、それと実は少子高齢化は、つながっちゃうんじゃないかなと僕は少し心配して。

夏野:僕はあんまりそう思ってないです。何故かって言うとあの別に、これも経済の話なんですけど、子供たくさん欲しいって言うのは、やっぱり経済的な余裕がある人なんですね。だから、二次元がなくなっても、子供作んないです。二次元があるから、生身の女の子に行かないわけじゃないから。生身の女の子、お金もかかるし、うるさいし、結婚すると態度でかくなるし、その曲子供ができら、自分のお小遣いが減っちゃうから、嫌なんです。

中島:でも結局、、、

夏野:経済です。

中島:二次元のほうが安いじゃないですか。

夏野:結構高いんです。着替えさせなきゃいけないし。

中島:ははは

夏野:パーツがどんどんお金かかるから。ガチャと一緒にですね。これから VR 系はどんどんパーツが高くなってると思いますよ。

中島:ベンチャー企業はそっちに走らないようにね

夏野:スキルがね、スキルをダウンロードするために、すごい働くとなると思う。

中島: 昔、ゴルフゲームで、秘書さん、なんだっけ、キャディーさん着替えさせる、あれすごくって。

夏野:そういう感じになっちゃうと思います。レアアイテム。

中島:だれだっけ、(会場にいる人を指差して)山本さんだっけ。あれに、やたら金突っ込んでいたの。はい、そうですよね。思い出した。

夏野:スピルバーグが作った最新の映画ご覧なりました?レディーなんとかって。あれ、面白いね。あれも仮想世界と現実世界で、人口増えちゃって、めちゃくちゃになっちゃってる、2045年の世界観を、ものすごい出してる面白い映画ですよ。ぜひ。さすがスピルバーグって感じ。日本が随所に出てくるんで面白いですよ。

中島:私も結構好きで、Oculus Go を買って、あれはピント合わないんで、今度のあれを買ったんですよ。Magic Leap だっけ。あれ結構いいですよ。

夏野:僕はPSVRなんですけど、僕は今のところ PSVR で最高のコンテンツはシアターモードだと思ってます。シアターモードっていうのがあって、ブルーレイを入れていると、PSVRで見ると、自分が映画館の席に座ってるっていう状況に再現されて、目の前にあるスクリーンで映画やるんですよ。入れたブルーレイが。これ最高ですよ。これで隣に佐々木希ちゃんがいたら、一万円払いますよ。

中島:それは作れるじゃないですか。

夏野:だから、それを俺、ソニーの人に言ってんだけど、「それはゲームのための、、」「えー、それ思いつかなかった、、、」とか言って、まだ実現していない。
ねー、隣に可愛い子と一緒にデートできたら、素晴らしいと思いません?

中島:そうですね、はい。わかります。

中島: これが、結構メッセージ性を持ったもので、未来を設計するこれからの世代の人達に、どういうメッセージを届けようかと。

夏野:やっぱりね、こんな面白い時代ないと思うんですよ。だって毎年のように新しい製品が出てくるでしょ。で、新しいサービスが生まれ、10年前にはなかったようなものが、10年後には全員みんなが使ってるとかね。iPhone出てきてまだ10年ですからね。
と言うように、こんな面白い時代に生きてるからには、ちょっと人生楽しみ尽くしましょうよ、と僕は言いたい。是非ね、もう新しいもの、なんでも試しません?
家はaiboちゃんもいるしね、今、うちのリアルな犬と大喧嘩してるんですけど、もーリアルな犬が怒っちゃって、aiboが来たから、もうめちゃめちゃライバル心むき出しなんですけど。でもTeslaも乗ったほうがいいし、なんか新しい、面白い商品とか、全部試して、全部、ネットのサービスとかも、そうなんですけど、僕はもう食わず嫌いしないで、全部試す。なんでも。ダメなものもいっぱいあります。ソニーのリモコンとかひどかった。今、誰かであげようと思って、会社に持ってきてますけど。試すと、半分ぐらいは、どうしようもない商品なんですけど、でも面白い。こんなに面白い時代はないですよね。
そういうものに触れて行くと、やっぱり自分の発想も広がって行くじゃないですか。それが全然関係ないところで使われたらどうなるか?とか、そういう発想も広がるんで、是非ね、食わず嫌いしないで、新しいものどんどんトライしてほしい。やりましょうよ、皆さん。

中島:突然思い出したんですけど、サロンの申し込みはDMMサロンだって僕言いましたっけ?言ってないかな。 DMM サロンなんですよ。今、DMMサロンのページに行くと新着のとこに出ていますので、もし興味があったら申し込んでください。

夏野:FXやってますけどね。

中島:色々、サロンっぽいものを調べたんですけど、なんかすごい地味な、なんか会員、テニスクラブとかが使ってる、テニステニス会員募集システムみたいな作ってる会社とかもあって、なんか地味なんです よ、UI とかが。信じられない、なんか昭和の、昭和はなかったか、昭和のような UI のところしかなくて。一番、ページセンスがいいのがDMMサロンで、DMMって言うとね、ちょっと別のことしか思い浮かばないんだけど、ま、いいかなと。DMMさんも色々としているみたいで。

夏野:ま、ツールですから。

中島:はい、ツールですね。まぁ、コインのビジネスもね、ちょっと困ったもんですね。

夏野:なんか、そのー、アメリカって結構そのしばらく投資家やってたんだけど、また実業やり出す人とか、それからまぁもう本当に、はやばやと引退しちゃう30代のやつとか、なんか生き方みんなバラバラじゃないですか。で、何歳になっても、もう一回やろうと思ったら、また全然できるじゃないですか。

中島:私だからマイクロソフトにいて、40の時に会社辞めて起業して、一回会社を売ってそこから学校に戻ってMBAとったんですよ。
なんでMBAを取ったかって言うと、会社を作って売るまでのプロセスの間に、いろんな話が出てきたんですけど、CFOも雇ってたんだけど、結構、会話がわからなかったりして。でも、CEOだから、何か知ってフリして、フンフンフンみたいなこと言ってたんだけど、
ちょっと、あの知らなかった会話を覚えなきゃいけないなってことで、MBAを取ったんですけど、そういうことが平気でできるし、みんなしてるんですよ。

夏野:大学院とか行くと、あらゆる年齢層の人が来ている。本当、70になって MBAとんの?って人もいますよね。だからそういう風になってもいいんじゃないかなって思うんですよね、日本って。せっかく高齢化社会になって、でも人手不足なんでも、死ぬまで働くのは当たり前でいいと思うんですよ。

中島:そう、そのなかで、がんと働いて、ちょっと休んで学校戻って、また働いて。途中で、あ、ゴルファーになろうと思って、ゴルフ目指して、やっぱり諦めて。あってもいいんですよえ。

夏野:世界一周行って全部財産使い果たして、もう一回ゼロから頑張るとかさ。なんかぜんぜんいろんな生き方、あっていいと思う。それのなんか最初の軍団になりましょう、皆さん。
人生長いし、面白いときに生きているから。なんでもやれるんで、今。 ぜひ。

中島:ということで、話としてはここで終わりで、質疑応答コーナーがあります。

司会者:夏野さん、中島さん、ありがとうございました。はい、そうですね。これから30分ほどの時間がありますけども質疑応答ということでですね、色々、あのこれまでのSingularity Socityの話ですとか、今までお伺いした話に対して、色々皆さんあると思うんですね。で、この後、懇親会もあるんですけども、そこで、こう個人的に聞くよりは、今ここでですね、皆さんでシェアして質問に対してお答えいただいた方が、皆で盛り上がれるかなと思っておりますので、ぜひ色んな事質問していただきたいと思うんですけども、どなたかいらっしゃいませんか。

質問者: 今日は面白い話ありがとうございました。こうやって話聞くと、なんか自分もやるぞって思うんですけど、家に帰ると、こう足かせというか、さっきもちょっと話になったんですけど、なんかこうやる気を削ぐようなことを言う人がいると思うんですよね。そういうのって日本だけなのか、海外、アメリカの婦人もそうなのかっていうところで、そこって、日本の独特な問題なのかどうなのかなって。

夏野:そんなことないですよ。あのものすごい怖い奥さんはいる。まー、あの、結構エグゼクティブがいて、僕は仲良かったんですけど、ほんと怖かったですよ、奥さん。なんか、なんでうちやつをこんな時間まで拘束してるのとかで、めっちゃ怒られて。すいません。でも、十分生きてますよ。

質問者:写ってないですよね、今。

中島:あのねえっと、日本だってアメリカだって変な事言う人はいるし。足を引っ張ろうとする人はいるけど、ちょっと、傾向として言うと、日本人の方がなんか気にしすぎかもとは思う。何となく異質であることがいけないみたいな空気があるじゃない。

質問者:はい。

中島:で、それを気にしすぎだと思う。アメリカ人ってやっぱり気にしない人は気にしないよ、本当に。あの、それは何なんだろう。出る杭は打たれる打たれないの話もあるし、それかその、何て言うのクラス全員の8割が赤い服を着ていても、堂々と黒い服を着ていけるみたいなタイプの人間が多いから、結果的になんか全員バラバラの服を着てるのがアメリカ人で。でも8割人がある服を着ちゃうと、全員の2割はもう合わせざるおえなくなってで、就職になると全員同じ服着てるみたいななっちゃうのか日本人で。
それはだから別に8割の服を着てる日本人が悪いんじゃなくて、その最後の2割なのに合わせちゃう方が悪いんじゃないかなとも、僕は時々思いますよ。

質問者:はい。なんか、やっぱ副業っていう話もあったんですけど、何かそこで自由にやるっていうのが、そっから何かでなんかいろんな事が出来くんのかなと、僕は思って聞いてました。

夏野:あの副業は、是非ね、ガンガンやられることをお勧めします。で、会社側に申告するのかとかいうのも、というのも、まぁー申告しなくても大丈夫よ。ねあの会社にバレるぐらいになったら、多分そっちで食っていけるから全然平気だと思う。

質問者:そういうことだと思います。

夏野:全然大丈夫やっちゃえ。やっちゃえ。

質問者:はっはっは。

夏野:ただし、副業の方はつまんないアルバイトじゃなくて、やっぱ俺ここやりたいとか、私は絶対ここは得意っていうので、やってほしいな。そんな生活の糧を稼ぐ訳じゃないので。

質問者:その副業ってやるとすると、面白い人とやりたいってなると、解雇じゃないですけど、やっぱり自分が一緒にやりたい人と集まることになると、僕は思うんですよね。
やっぱ、そういうのって、なんかそういう働き方が増えてくと、なんか副業が本業になってみたいので、なんかこう片手間が本業がバイトみたいに、こうベーシックインカムみたいなあればいいのかな。

夏野:それでお金入ってきたら、それでその半分を奥さんに渡せば奥さんは何にも言わなくなるかも大丈夫。

質問者:はっはっは。はい、ありがとうございます。

司会者:ありがとうございました。他にどなたかいらっしゃいますか。 はい、お願いします。

質問者:あの、私は牧野と申します。本日はありがとうございました。あのちょっと伺いたくて、ご相談みたいな感じなんですけれども。大きな会社で、あの結構その会社がやってることは、全然違う方向のことをやりたいと。結構、普通の人は馬鹿だなと思うようなことを、やりたいって思ってる時に。色々提案して、そこでこう言った言い方とか、提案の仕方とかしていけば、まぁ〜ちょっとは意見を真面目に聞いてもらえるとか、そういったこと何かありましたらアドバイスいただけたらなと思います。
自分は、やっぱり、熱意は、まぁ〜前提条件で、後は実際にあの物を作ってみるとか、そういったことはしていけば、ちょっと進めるのかなとは思ってるんですけれども、あのもうちょっと何か違う方向とか、そういったものがあったら伺えればと思います。

中島: えーと、まずその、こういうような質問されることが多いんだけど、えーベンチャー企業、自分で始めた経験から言うと、ベンチャーってすごい大変なんですよ。あのやっぱり、人と金がないので。それと比べると大企業って人と金はいっぱいあるんですよ。で、その大企業で、好きなことをさせてもらえないから、辞めるって事はいつでもできるんだけど、辞める前にやっぱり大企業中で大暴れしてもいいかなと、僕は思いますよ、せっかくリソースがあるんだから。だからそういう意味でいうと多少ずれてても、多少反対されててもやっちゃう。それがその本当に勝手にできるものかどうかわかんないけど、ある意味そのなんか上司の許可ももらわずにやっちゃうとか。
もしくは、その、それを、その、何て言うのサポートしてくれる人を見つけるまで、提案し続けるとか、まず、必ずしもその真上にいかなくてもいいわけじゃないですか。そういうちょっとひと暴れしてから、やめればいいかなと僕は思いますよね。だからそういう意味で言うと、その遠慮はしなくてもいいんじゃないかなと。
で、それも、本当にそれが価値を生み出すとね、会社にとって価値を生み出すとか社会にとって価値を読み出すと信じてるんだったら、思いっきり押してみるべきだと思いますよ。どっかでそれを聞いてくれる人がいるし最終的な社長さんかもしれないけど。で、そこまであなたが思ってるものを、社長も認めてくれないんだったら、やめればいいわけで、まずちょっとそこまで暴れてみるのはいいと思いますよ。

質問者:ありがとうございます。

夏野:あのベンチャーだと思って、事業計画書、完璧に書いたらどうですか。
その、それだけ自信があるんだったら。それで会社で全然通らなかったら、ベンチャーキャピタルもってけるでしょ。だからそのアイデアが他人が見ても、いけるーこれいける!って思えるぐらいじゃきゃ。だってやる価値ないですよそれは。

質問者:はい。もちろんそうですね。

夏野:それを見える化できるかどうかなんですよ。で、意外に難しいですよ。本当に単なる発想だけで事業計画書を、説得力のある事業計画書に、書けないですからね。だからそこには皆さんが持ってる、書き手の持ってるリソース、そしてやらなきゃクリアしなきゃいけない条件が、全部埋め込まれた上で、しかし、この条件が揃え、これがきちんと前提が上手くいけば、行けるなっていう説得力のある事業計画書が書ければ、もうそれが書けるだけでまた一つ才能だよね。

質問者:あ、そうですね。

夏野:で、それ書いてないのに、やらせてもらえないとか言うのいるんですよ。社内ベンチャーとか、やってるバカな。そういのは全滅ですよ、全滅。

質問者:そうですね。すいません。その方向でちょっと頑張ってみようかなと思います。

中島:で、その事業計画書を作るときに僕はすごい力を入れてほしいのは、なぜいるか?っていう部分ですよね。なんか事業計画書って言うと、いかにも売上予想グラフを書くのが仕事みたいに思ってる人がいるんだけど、売上予想なんて実はもうあてになんないんで。ベンチャーキャピタルとかって、実はそこはそんなに真剣に見てないんです。僕も VC をやってたから見てるけど。売上予想なんて立てたって、当たんないですよ。それよりも、なぜやりたいんだとかね、それから、なぜ自分ができるんだ、特殊な技能を持っている人がいるとか patent があるとかそういうそのなんて言うの、なぜこいつなのかっていう部分がものすごく大事で、そこで、惚れて、投資するんですよ。
最後のページにある売上予想なんてのは、みんなこういうの書いてくるに決まってるんだから、見てないんですよ数字なんて。

質問者:自分が思ってたのは会社としは、これをやると、どれだけの利益が上がるのかっていう、その予測ばっかの方を考えてたんですけど。

夏野:いやいやそんなの関係ない。なんでそれがうまくいくの方のが大事。

中島:そう、なんでなんです。

夏野:8割うまくいかないんだ。うまくいった時に利益がでるのは、ほら、当然ですから。

中島:そうするとなぜうまくいくのだ、という部分で説得すれば、向こうがこういうグラフを書いてきますよ。

質問者:あのうまくっていうのは、売上が上がるというものではなくて、利益でる?

夏野:事業として成功するということです。

質問者:継続して事業が生存するっていうことが、、、。
中島:例えば、売り上げ予想なんてなくてもね。この仕組みを使うと今まで作ってた敵会社よりも、半分のコストで作れる発明をしました、って言う一行の説得があれば、あとは売上が上がるのは決まってるじゃないですか。だって、他社より半分の価格で作れるんですよ。

質問者:はい。そうですね。

中島:でっ、他社の半分の価格で作れるから売上が怖がるっていうステップは誰でもできるから、そんなことに時間をかける必要はなくて。なんで他社より半分の価格で作れるの。そこの半分の価格でつくれるっていう技術は、パテントで守られているの、いないの、っていう部分の説得力ですよね。そっちの方が大事ですよ。

質問者: わかりました。

中島:頑張って下さい。

質問者:ありがとうございます。

夏野:そういうの。俺んとこに持ってこないでね。もう持って来られても、しょうがない。でも、こいつでやれるかもと、思って結構出してる。こないだ、一個当たりました。

中島:いいですね。僕もエンジェル投資とかするんですけど、うまくいくのは、僕が直接絡んだやつだけですよ。だから、金を出すだけだとやっぱダメで。自分がどっぷり入ってやったものだけしかうまくいっていないので。エンジェルって結構大変ですよ。でも本当のエンジェルは手伝ってくれる人。金だけくれる人ってのはあんまりいいエンジェルじゃないないと思います。時間大丈夫ですか?

司会者:はい。それではですね。そろそろ最後の質問にさせていただきたい。

中島:前の方に。

司会者:はい。いっぱいましたね。じゃあ、できるだけ多くの方々にご質問していただきたいので短めにお願いできますか?

質問者:一つだけ質問させて頂きたいんですけど、日本の社会って制度がロビーイングで、締めつけられちゃうみたいな話があったと思うんですけど、お2人から見て、日本のチャンスってどういうところでしょうか。日本のチャンスをお二人がどのように捉えていて、ここポジティブだよ。だからチャンスなんじゃないみたいに、見えているところがあったらお聞きしたいなと思ったんですけれども。

夏野:あのね。何か新しいものを作ろうとした時に国内にすべてのリソースがある。ものづくりやろうと思っても、素材なんか欲しいと思っても。だから、結構それグローバルにやんないとできない国が、ほとんどですよ。ヨーロッパの国なんかでも、自国ですべてのリソースとか技術とか手に入んないから、いろいろ交渉しないといけないし。でも日本は、全部国内でできますよ。だから、逆にグローバリゼーションが遅れたっていう側面はあるものの。スタートアップには、実は日本って環境を悪くないなーって思ってますよ。

中島: そうですね。あと思うのは、日本って、特に東京って、ちょっと、とんがってるじゃないですか、いろんな意味で。その少子高齢化もそうだし、ライフスタイルもそうだし。でっ、そういう新しいライフスタイルに合ったものや、サービスとかっていうのは、ひょっとしたら今は東京でしか成り立たないかもしれないけど、将来は未来みたいなのはあるんじゃないかなと思いますよね。特に、僕は少子高齢化のことはすごい進化圧。人類全体に対する進化圧だと思っていて、それが多分一番最初にかかってる国なわけですよ。だから、そこはある意味伸びしろが大きいと言うか、日本はもう待ったなしですから、やるしかない。作ったものが将来は他の国にも訪れる、そこに輸出できるみたいなのはあるんじゃないかなと思いますよね。

質問者:ありがとうございます。

司会者:次の方

質問者:すいません。日本だとフリーランスや個人事業主のソフトウェアエンジニアがいるんですけども、アメリカにも同じように、そういう立場の人はいるんでしょうか?あの正社員じゃないってことですね。そういう人たちが Facebook や Google とかで働いてたりもするんでしょうか。

中島:えっ、FacebookとかGoogleで働いているのはフルタイムなので。でも、フリーランスはいっぱいますよ。

夏野:あのスタートアップする時に、そういうフリーランスをかき集めて。あのシリコンバレーっていうドラマがあるんで、是非、ご覧になることをお勧めします。ホント、結構実態に近いんで。

質問者:わかりました。

夏野:小学生のフリーランスとかつれてきて、やらせたりしてますよ。

中島:でもあとね。すごいフリーランスがいるのは実はウクライナとかね。なんか変なとこなんですよ。何故かって言うと、なんらかの理由でその国を離れられなくて、働く良い企業はないから、しょうがないからネットでフリーランスしてるみたいなのが、やたらすごいのがいたりするのはそういう、ちょっと僻地、僻地って言ったら悪いけど、そういう国だったりするので。アメリカは、もうフリーランスはピンキリですね。

質問者:はい。ありがとうございました。

質問者:この団体でお二人の役割分担はどうされるんですか?

中島:あっ、いい質問ですね。私は結構手を動かさないと気が済まないので。今もそうですけど。今回 Facebook で始めたんですけど、Slackも立てて。メンバーの人に入ってもらってるんですけど、多分私が一番発言してるというぐらいの状況になっています。それは、もう私はしょうがないので、妻から見放されない限りは、やり続けようと思っています。

夏野:僕は煽り担当ですよね。もう煽り、バズリ、話でかくしまくるみたいな。

中島:あの、なんていうのか、でもやっぱり一人じゃ大きなことはできなくて。でっ、すごく違うんですよ。例えば、そのi-mode、Windows、 で、インターネットみたいなのをどちらかっていうと、ある事象を反対側から見ていた人間なので、すごく補完しあうの部分もあれば、二人で見ることによって、三次元化されるみたいな部分があるので。多分、シンギュラリティ・ソサエティの中で作ってくプロジェクトに関しても、私、いっぺんから見ていると二次元だったのが、夏野さんがここにいるから三次元で見られるみたいなことが起こると、期待しています。

質問者: ありがとうございました。あの、信頼できる人の見分け方についてちょっとお伺いしたいんですけれど。僕自身ちょっとまだやりたいことが見つからなかったので、いろんなやってみたかったことであったり、副業だったらいろんなことに挑戦しています。その中で、なんて言うんですかね、こうちょっと怪しそうな人と言うか、イメージと言うと、ツイッターとかで、その海外飛び回って月20万稼いでいます、その方法を教えます、みたいな人とかもいて、何て言うんですかね、その自分が何か事業を始めるってなった時に、この人となら組んでもいいかなって、思えるような、そういう判断信頼できる、判断基準みたいな物って。あるのかなっていうのをお伺いしたいです。

中島:難しい質問ですね。そんな、それでも何かやってみれば、わかってこないかな。

夏野:なんか方教えますとかいう人は、絶対信頼できないですよね。どう考えても。

中島:その、行動から分からないかな。そのビットコイン上がるよって言ってる人は、必ずビットコイン持ってますからね。その、何て言うのかな。 信頼ね。何か一緒にちょっと行ってみるとわかるんじゃない。何でもいい。本当にちっちゃいのプロジェクターもいいから。何か一緒に行ってみて。約束通りのことをしてくれないとか。何かって言うと楽をしたがるとか。そういうことから見えてくるでしょう。だからあんまり確かに、その一件では判断しない方がいいと思う。あと、甘いことを言ってくる人は、まあまず疑ってかかったほうが良いという感じです

質問者: ありがとうございます。ちょっと行動とかも見ながら、やっていて、考えてみながらやっていきたいと思います。

夏野:具体的な顔が浮かんでるの中に。

質問者:そうっすね。そうですね。なんか結構、、、。

中島:このサロンに入ろうか、ビットコインで儲ける方法のサロンに入ろうか悩んでるんでしょ。

質問者:そうではないです。それはないんですけれど 何か話を持ちかけられた時に

夏野:話を持ちかけられた理由は何だろうと思った方がいいよ。

質問者:はい

夏野:なんで俺に来んだろう。だって、そんなに俺は魅力があるのか。魅力がないんだったら騙してる。

質問者:わかりやすいです。ありがとうございます。

質問者:最後、滑り込みですいません。冒頭で、中島さんがシンギュラリティの捉え方についてお話しされていたところなんですけれども、汎用 AI の進化に人が追いつけなくなるっていう、遠い未来のことを考えるよりも、今の事象を捉えた方がいい、みたいなお話をされていたと思うんですけども。その今の事象の捉え方っていうところについて、もうちょっと具体的な事例を交えてお話していただけないでしょうか。

中島: わかりやすく言うと、定型業務 AI は機械がやった方が安いっていう時代が、ここから10年以内にガンガンおこると思います。定型業務っていうのは、レシートにある数字を帳簿に入れるとか、もしくはレントゲン写真を見て、この人が癌かどうか判断するとかっていうのが、どんどんの進化するのがこれからで。

質問者: はい。

中島: で、結局はデータの量なので。これから、ますますデータを食わせられるようになるわけです。

質問者: はい。

中島:今まであったらレントゲン写真を見て、その人が癌かどうか判断していた医者が、まず機械に変わるのはもうすぐ起こります。

質問者: はい。

中島: でも、レントゲン写真だけじゃなくて、DNA も入れたらどういう結果が出るかなっていう実験が、今おこりつつあるわけですよ。

質問者: はい。
中島: 今の医者は、DNAなんか見てないですけど、マシンは見れるわけですよ。そうすると、マシンはその膨大なデータをひたすら見るだけで、DNA のシークエンス、たまたまこれを持ってるやつのこういうパターンがあった場合は癌だっていうのを、突然発見する時代が来はじめますから。もうそうすると人間の医者はかなわないですよね。それは全然汎用なんかじゃないですよ。まだまだ定型業務なんですけど。それでも人間を、はるかに超すっていうのは10年以内にきますよ。だから、そこはもういろんなことが変わると思う。

質問者: はい。

中島: そう、そういう意味の汎用なんか待たずに。社会がガラガラ変わっていく。今までの職が置き換えられていく。そこに産業の効率が良くなったり、物が安くなったり、でも人は切られたりって言うのがガンガン起こるので。まずそこをちゃんといいポジションに行って見ましょう。

質問者: ありがとうございます。

司会者:はい、それではよろしいでしょうか?そろそろですね、お開きの時間になってきたんですけれども。

質問者:サロンの説明は?

中島:あれ?ウソぉ~したんじゃないの?してない?サロンは URL 、https://lounge.dmm.com/ に行くと、たぶん新着のとこにサロンが出てるので、そこで申し込んでください(詳細ページはhttps://lounge.dmm.com/detail/1248/)。でも、一応 100人募集なんですけども、50人ぐらい入ってるはずなので、だから急げって話じゃないですけどでも、小論文が必要なんです。ワザと敷居を高くして、ちゃんと、どういうことをやりたいかというのを、書いていただいて、それを真面目に書いてくれた人だけに、入っていただくという、ワザと敷居を高くしていますので、宜しくお願いします。
いいですかね?

司会者:どうもありがとうございました。
はい、それでは今のお話もあった通り、そのサロンですね。あのーシンギュラリティソサエティのオンラインサロンを、今日から募集を始めてるんですけども。えーと、100名まず第一期ということで、100名の募集に関しましまして、本日オープンでもう半分50人は応募いただいているということで、まず最初のですね、仲間として参加してみたいという方は是非こちらの URL を、ご覧いただいてご参加いただければと思っております。はい、それではですね、2時間の長い時間に渡りまして、お付き合い頂きましてありがとうございました。本日の”Invent or Die - 未来の設計者たちへ”のボリューム1はですね、中島聡さんと、夏野剛さん、本当にありがとうございました。皆さん拍手を。

中島、夏野:ありがとうございました。

会場:(パチパチ拍手)