Antigravity は、Google が提供する AI コーディングエージェントです。MulmoTerminal は複数のコーディングエージェントを並列に動かすコックピットで、Antigravity をそのエンジンのひとつとして利用できます。MulmoTerminal から呼び出すには、まず agy という CLI コマンドをパソコンに入れておく必要があります。
この記事では、agy が何者なのか、どのアカウントが必要なのか、そしてインストール直後のログイン・初期設定を、非エンジニアの方向けに解説します。
「agy」コマンドって何? デスクトップアプリとの関係
Google Antigravity には、いくつかの入口があります。整理すると次のとおりです。
| 入口 | 概要 | MulmoTerminal で使う |
|---|---|---|
| Antigravity デスクトップアプリ(Mac / Windows / Linux) | 専用のウィンドウで AI エージェントと対話する | − |
| IDE 拡張(VS Code / JetBrains / Zed など) | 普段のエディタの中から呼び出す | − |
ターミナル版 CLI(agy コマンド) |
ターミナルの中で動く軽量版 | ○ ← これを入れる |
つまり「デスクトップアプリを入れた= agy が使える」とは限りません。デスクトップアプリと CLI 版は、同じ Antigravity というサービスを使う別々のクライアントで、インストールは独立しています。MulmoTerminal は裏でターミナルを束ねて動くので、必要なのは CLI 版の agy だけです。
必要なアカウント(料金)
agy を動かすには Google アカウントが必要です。料金プランは次の 3 段階で、無料プランでも始められます。
| プラン | 内容 |
|---|---|
| 無料(Free) | 週単位でリセットされる基本クォータ。試すだけなら十分 |
| Google AI Pro | 5 時間ごとの高クォータ、週あたりの上限も緩和。個人の常用向き |
| Google AI Ultra(おすすめ) | 最大クォータに加え、サードパーティモデルへのアクセス |
いずれのプランでも、CLI 自体(agy)は使えます。チームで導入する場合は、Google Cloud 側の「Gemini Enterprise」契約が入口になります。
ヒント: ログインする Google アカウントの契約プランが、そのまま
agyのクォータになります。普段 Gemini を使っているアカウントがあれば、それをそのまま使えば OK です。
インストール
ターミナル(Windows は PowerShell)を開いて、OS に合ったコマンドを実行します。
Mac / Linux
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
実行ファイルは ~/.local/bin/agy に置かれます。
Windows(PowerShell)
irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex
実行ファイルは C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\agy\bin に置かれます。
インストーラが PATH(コマンドを探す場所)と、シェルのエイリアスを自動で設定します。インストール後は、新しいターミナルを開き直してください。古いターミナルのままだと agy が見つからない、と言われることがあります。
ログイン
新しいターミナル(Windows は PowerShell)で次を実行します。
agy
初回起動では、ログインの流れが自動で始まります。環境によって順番や表示は多少変わりますが、おおまかには次のとおりです。
1. ブラウザが自動で開きます — Google のログイン画面が表示されるので、使いたい Google アカウントでログインします。すでに agy を一度使ったことがあるマシンでは、保存済みの資格情報が読み出され、ブラウザが開かずにそのまま認証が完了することがあります(サイレント認証)。
2. Antigravity への接続を許可します — 「このアプリに Google アカウントへのアクセスを許可しますか?」という画面が出たら、内容を確認して「許可」を押します。
3. ターミナルに戻ると起動完了 — 認証が終わるとターミナルにプロンプトが戻り、agy の対話画面に入れます。ここから自然文で指示を書けば、Antigravity がファイルを読み書きしながら作業してくれます。
SSH で遠隔のサーバーに入れたいとき
リモートのサーバーに SSH で入って agy を動かす場合、ブラウザは手元のパソコンで開く必要があります。agy は URL を表示するので、
- 表示された URL を手元のブラウザにコピペして開く
- Google アカウントでログインし、画面に出る英数字コードを控える
- そのコードを SSH 先のターミナルに貼り付けて Enter
という流れになります。難しそうに見えますが、画面に出てくる案内のとおりに進めれば大丈夫です。
うまくいかないとき
- ブラウザが自動で開かない: ターミナルに表示される認証用 URL をコピーして、手元のブラウザに貼り付けて開いてください。SSH のときと同じ流れで続けられます
- ログインし直したい:
agyの対話画面で/logoutと打つとログアウトできます。もう一度agyを起動すればログインからやり直せます - ブラウザが使えない環境(CI など)で動かしたい — Google AI Studio で Gemini API キーを発行し、
~/.gemini/antigravity-cli/settings.jsonに{"modelProvider": "gemini"}と書き、export GEMINI_API_KEY="<キー>"を設定すれば、ブラウザ無しでagyが起動できます。この場合は Google アカウントのログインは不要です - 「
agyコマンドが見つかりません」と言われる — インストール直後は、新しいターミナルを開き直してみてください。それでも駄目なら、PATH が通っていない可能性があります。Mac / Linux なら~/.local/binが、Windows ならAppData\Local\agy\binが PATH に入っているか確認します - エラーが出て進めなくなった: エラーメッセージをそのままコピーして、Gemini や他のチャット AI に貼って「どうすればいい?」と聞くのが近道です
動作確認
ログイン後、次のコマンドでインストール状態を確認できます。
agy --version
バージョン番号が表示されれば、agy 本体は正しく入っています。あとは agy を実行して対話画面に入り、「こんにちは」と打って返事が返ってくれば、ログインまで含めて正常です。
次のステップ
agy が動いたら、あとは MulmoTerminal に接続するだけです。MulmoTerminal は Claude Code / Codex CLI / Antigravity などを 1 つの画面から並列に動かすコックピットで、agy もエンジンのひとつとして登録できます。
Antigravity をメインで使う方は、公式のチュートリアル にも目を通しておくと、agy 単体での使い方がつかめます。
参考リンク
- Antigravity CLI 公式ドキュメント(インストール)
- Antigravity CLI 公式ドキュメント(チュートリアル)
- Antigravity 公式ドキュメント(Getting Started)
- Antigravity のプランと AI クレジット
- Google AI Studio(API キー発行)
