課題:見に行って、何もせずに戻る
3 体の AI エージェントに作業を頼み、別のウィンドウでメールを書いています。2 分後、気になって見に行きます。
- 1 体目: まだ考え中
- 2 体目: まだ考え中
- 3 体目: 終わっていた
3 体目に次を頼んで、メールに戻ります。2 分後、また気になって見に行きます。今度は 3 体とも考え中でした。
これを繰り返していると、見に行った回数のうち用があったのは 4 回に 1 回くらい だと分かります。残り 3 回は何もせずに戻ってきていて、戻るたびに書きかけのメールの続きを思い出し直すことになります。
AI を何体も動かして増えたのは、作業量だけではありません。確認という仕事が増えています。
既存のやり方とそのコスト
タブを順にめくる
ターミナルを 3 枚開いてタブで切り替える、tmux のペインを 3 つ出す。素朴にはこれで動きます。
ただし、
- 状態を知るには画面を読む必要がある(テキストから推測)
- 「このセッションは何秒前に起動したやつか」が記憶頼み
- 全部を順に見るしかなく、見るたびに 2〜3 枚は空振り
用があるかを確かめるコストを、1 枚ずつに払っている状態です。
自分でベルを仕込む
Claude Code や Codex の設定で、終わったときに osascript でビープを鳴らすこともできます。ただ、どのセッションが鳴ったかは音だけでは分かりません。結局タブをめくって確認することになります。
MulmoTerminal の解決:読まずに分かる色と、聞き分ける音
MulmoTerminal は、この確認を消すための画面です。やかんの笛と同じで、見に行かなくても分かるようにする。
4 色、4 つの意味
マスに英語で状態が書いてあっても足りません。9 枚あれば 9 回読むことになるので、タブをめくるのと変わりません。読まずに分かるものが要ります。
色を使います。
| 見た目 | 意味 | すること |
|---|---|---|
| 青みがかった枠 | 考えている(running) | 何もしない |
| 琥珀色の枠 | 入力・許可待ち(Needs input) | 答える |
| 緑のリング+グロー | 完了・レビュー待ち(Done — review) | 読む |
| 枠なし | アイドル | 次を頼む |

拾うのは 琥珀と緑の 2 つだけ。青は「今は用がない」という意味なので、見なくていい合図として働きます。視界の端に琥珀色が入れば、何枚目のマスかは分からなくても、誰かが待っていることは分かる。そこで初めて視線を送ればよい。
琥珀色になるのは、AI が 人に聞いて止まった ときです。危ないことをする前に「このコマンドを実行していいですか」と確認してくるのが、Claude Code / Codex の設計です。答えるまで 1 ミリも進みません。
琥珀を緑より先に拾う
琥珀と緑はどちらも用がありますが、急ぎ方が違います。
- 琥珀は 止まっている。答えるまで何も進まない
- 緑は 終わっている。放っておいても損はしない
5 枚が緑で 1 枚が琥珀なら、琥珀を先に片付けたほうが盤全体が速く進みます。緑を 5 枚読んでいるあいだ、琥珀の 1 枚は何も進んでいないからです。
既定の auto ソートが入力待ちのセルを上に浮かせるのも、この優先順位を画面側で表現しているからです。
同じ状態が 3 か所に出る
見ている場所によって、同じ状態が別の形で出ます。
- グリッドを見ているとき: マスの枠
- 1 体を拡大しているとき: 下に並ぶサムネイルのドット
- 拡大時のロスター: 行の色
緑は 3 か所すべてで緑です。1 体を拡大して集中していても、横のロスターに緑の行が増えれば気づけます。「拡大したら他が見えなくなる」が起きません。
音は「見ていないセル」でしか鳴らない
色だけでは、画面を見ていないときに気づけません。入力待ち・完了のタイミングでは音も鳴ります。
音には一つ約束があって、いま見ている(拡大している)セルでは鳴りません。目の前で終わったものに音で知らせる意味がないからです。
一方、スマホへの Web Push 通知は、見ているセルでも飛びます。こちらはパソコンが手元にない前提の機能なので、逆の判断になっています。
鳴らす瞬間は 6 種類ある
通知音は 6 種類あり、それぞれ別の音と別の ON/OFF を持ちます。既定で ON なのは最初の 2 つだけで、残りは opt-in です。
| 瞬間 | 既定 |
|---|---|
| 入力待ちになった | ON |
| 完了した | ON |
| Run セルのスクリプトが成功した | OFF |
| Run セルのスクリプトが失敗した | OFF |
| セッションが終了した | OFF |
| PR の CI が落ちた | OFF |
並列数を上げると、全部 ON のままでは通知が多すぎるので、必要な種類だけ有効にする設計になっています。音がうるさいと感じたら、まず完了音を切るのが最初の一手。終わったことは次に画面を見たときに分かるので、音で知る必要がありません。
気づいたあと、中身はヘッダーで読む
琥珀や緑を拾ったあと、何が起きているかを読みます。マスのヘッダーは 2 段 になっています。
- 1 段目(見比べるもの): 状態ドット、プロジェクトバッジ、git チップ(ブランチ・変更数)、モデル / コンテキスト量、「今やっていること」、自分で書けるメモ、拡大 / 閉じる
- 2 段目(読むもの・操作): ディレクトリのパス、Run、Skills、ファイルの挿入、使った道具の履歴
1 段目は 9 枚を横に並べて差を探すための段。会話の量が 1 枚だけ大きい、変更の数が 1 枚だけ多い、というのがここで見えます。2 段目はそのセルの中で読み書きする段。
使ってみる
色は設定なしで最初から効いています。有効にする操作はありません。MulmoTerminal 完全ガイド で起動すれば、そのまま状態色が出ます。
動作確認の最小シナリオ
- 空きセルから Claude を 1 体起動する
- 「このフォルダのファイルを一覧して、一時ファイルを消していいか聞いて」と頼む
- 別のセルを見ている状態で待つ — ファイル削除の許可を求めるところで止まり、琥珀色に光り、音が鳴る
- そのセルをクリックして視界に入れると、琥珀は残るが音は止まる — 見ているセルでは鳴らない仕様
音がうるさいと感じたら、設定の Notification sounds から種類ごとに切れます。入力待ちだけ残すのが最初の一手です。
まとめ
- AI エージェントを並列で動かすと、作業量より確認作業のほうが先に重くなる
- MulmoTerminal は状態を色に出して、読まずに分かるようにする
- 拾うのは琥珀(入力待ち)と緑(完了)の 2 つだけ。青は「見なくていい」合図
- 止まっている琥珀を緑より先に片付けると、盤全体が速く進む
- 音は見ていないセルでだけ鳴り、スマホ Push は常に飛ぶ — 役割が違う
- 通知音は 6 種類から選べる。必要な種類だけ opt-in する設計
関連: MulmoTerminal 公式ガイドの機能一覧 / 9 セルグリッドの仕組み / コックピット・ロスターで一体に集中する / Cursor の代替としての MulmoTerminal


