学校の時間割は、授業が決まる前に出来上がっています。
縦に曜日、横に時限。月曜の一限、月曜の二限と、空の枡が先に並んでいます。教室を使うというのは、その枡の一つを埋めることです。
だから職員室の壁の時間割を見れば、水曜の午後が空いているかどうかが一目で分かります。誰も数えていません。埋まっている枡と空の枡が並んでいるだけです。
埋めるものを先に並べておくと、数える仕事が消えます。そして空きが見えるようになります。
取っているものが違う
A会議室、木曜の十四時から十五時。
これと三十席のワークショップに申し込むは、似ていますが取っているものが違います。
ワークショップは三十席のうちの一つです。どの席かは決まっていません。会議室はA会議室の木曜十四時です。取るものが特定されています。
この違いが、そのまま作りの違いになります。
MulmoTerminal は AI に頼んで作業させるための画面で、npx の一行で立ち上げてブラウザで開きます。道具自体は無料で、AI の使用量は自分の契約から引かれます。そこで作れる共有アプリは、リンクで人に渡せるアプリで、フォルダ一つがアプリ一つです。公開したあとは自分のパソコンが経路に入りません。
枠を自分で数えようとすると面倒になる
会議室の予約を AI に作らせると、こんな作りになりがちです。申し込みが来たら、その部屋のその時間に予約があるか調べて、無ければ受け付ける。
二人が同時に押すと、両方受け付けられます。調べてから書くまでのあいだに、他人が入るので。
そのうえ、もう一つ使いにくい点があります。申し込む前に空きが見えません。
木曜十四時のA会議室と書いて送って、断られて、じゃあB会議室と書いて送って、また断られる。三回目でようやく取れる、という形になります。
時間割が壁に貼っていなくて、いちいち職員室に聞きに行くのと同じです。
枠が先にある、という作り
共有アプリの会議室の形では、枠が最初から全部あります。
A会議室 10:00-11:00
A会議室 11:00-12:00
A会議室 13:00-14:00
B会議室 10:00-11:00
…
これが並んでいて、予約とはそのどれかを押さえることです。時間割の枡と同じです。
だから数えなくていい
A会議室の木曜十四時という枠は、世界に一つしかありません。それを押さえられるのは一人だけです。
数える必要も、番号を配る必要もありません。一つのものを一人が取る、というだけになります。
これが不安への答えになります。二重予約を防ぐコードを、自分も AI も書いていません。書いていないものは、間違えようがないという部分です。
そして空きが見える
枠が先にあるので、申し込む前に一覧で見えます。A会議室の午後は埋まっているが、B会議室は空いているが分かります。
これは使う側にとって大きい違いです。取れなかったで終わらず、別の枠を選べます。
三十席のうち一つを取る形だと、十二席空いていますしか分かりません。
向いているもの
会議室。部屋と時間帯の組み合わせです。
席。フリーアドレスのデスク、イベントの座席。
貸出機材。カメラ、プロジェクター、社用車。
設備。スタジオ、実験室、練習室。
共通しているのは、物理的に一つしかないものを時間で区切って使い回す形です。
三つの予約の形を見分ける
同じ予約でも、守り方が三つに分かれます。
| 取るもの | 守り方 |
|---|---|
| 30席のうち一つ | サーバーが到着時刻と番号を決める |
| 田中さんの14時 | プラットフォームが一枠一予約を決める |
| A会議室の14時 | 枠が一つしかない |
会議室と面談は近いところにいます。違いは人が承認するかどうかです。
会議室は、空いていれば誰が使ってもいいので承認は要りません。面談は、相手が受けられるかを判断するので承認が要ります。
頼み方
枠が先にある形なので、作るときに枠を決めます。
3つの会議室の予約。A・B・Cで、平日の9時から18時まで1時間ごと。 誰が何時に何の用で取ったかを見られるようにして。
一時間ごとと言えば枠が作られます。
枠の数は多くなります。三室かける九時間かける平日五日で百三十五枠。でも自分で並べるわけではないので、手間は変わりません。
あとから変えられます。土曜日も使えるようにしてと言えば足されて、すでに入っている予約は残ります。
使った記録が、勝手に貯まる
枠は記録なので、過ぎた枠も残ります。誰がいつ何を使ったかの記録が、何もしなくても貯まります。
会議室の利用状況、機材を誰が借りていたか、設備の稼働率。
別に記録を取る仕組みを作る必要がありません。予約そのものが記録だからです。去年の時間割が残っているのと同じです。
社内向けなら公開ページを作らない
会議室の予約に、社外の人が申し込むことはありません。
公開ページを作らなければ、名簿に載せた人しか開けません。リンクを知られても開けません。
社内の設備を管理するものは、この形が正しい。AI に作らせたものを公開するが、必ずインターネットに出すことにはなりません。
使ってみる
MulmoTerminal は、次の一行で立ち上がります。ターミナル(Windows なら PowerShell、Mac ならターミナル)を開いて、そのまま貼り付けます。
npx mulmoterminal@latest
ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功です。インストールという作業はありません。npx はその場で取ってきて動かすだけなので、合わなければ閉じるだけで終わります。止めるときは、打ったターミナルで Ctrl + C を押します。そのターミナルが分からなくなったら npx mulmoterminal@latest stop です。
動かない場合、足りないものは次の二つのどちらかです。
| 確かめ方 | 無ければ | |
|---|---|---|
| Node.js 22.12 以上 | node -v |
nodejs.org/ja/download の LTS。入れたらターミナルを閉じて開き直す |
| Claude Code | claude --version |
macOS は curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash、Windows は irm https://claude.ai/install.ps1 | iex。そのあと claude でログイン |
Claude Code は、AI をターミナルから使うためのコマンドです。使うには Claude の有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)か API のアカウントが必要で、無料プランには含まれていません。MulmoTerminal 自体は無料で、AI の使用量はその契約から引かれます。
新しい空のフォルダを一つ作ります。デスクトップでいいです。名前は何でもかまいません。
MulmoTerminal の空いているマスをクリックして、上のタブで Claude を選び、WORKING DIRECTORY にそのフォルダのパスを入れて、右の再生ボタンを押します。

開いた画面に、欲しいものを普通の言葉で打ちます。
3つの会議室の予約。A・B・Cで、平日の9時から18時まで1時間ごと。 誰が何時に何の用で取ったかを見られるようにして。
一時間ごとと言えば、枠が先に全部作られます。
公開する前に自分で見ます。そのマスでコレクションのパネルを開いて、ヘッダーの Previews を押すと、公開サイトと同じものが動きます。
そこで四つ確かめます。データが出ているか。読み込み中で止まっていないか。送信すると確認が出て、入っている値が正しいか。わざと変な値を入れて、断られるか。そして仕上がって見えるか。
よければ公開してと頼みます。リンクが返ってきます。
空き状況の一覧に枠が並んでいて、一つ取ったあとその枠だけ埋まって見えれば成功です。
外に出したくないものなら、公開ページは作らないでと先に言っておきます。そうすると、名簿に載せた人しか開けません。
やめたくなったら、同じマスでこのアプリの公開をやめてと頼みます。リンクが開けなくなります。集まったデータを消すなら、レコードを全部消してと頼みます。消すと戻らないので、先に画面で中身を見て、必要なら書き出してから頼んでください。
まとめ
時間割は、授業が決まる前にコマが全部並んでいます。だから空きが見えて、誰も数えません。
会議室の予約も同じで、枠を先に並べると数える仕事が消えます。A会議室の木曜十四時は世界に一つしかないので、押さえられるのは一人だけです。
空きが見えると、取れなかった人が別の枠を選べます。三十席のうち一つを取る形では、これができません。
