お薬手帳は、本人が持ち歩きます。
薬局には全員の記録があります。でも患者に渡すのは、その人の一冊だけです。他の人が何を飲んでいるかは、当然そこに載りません。
この一冊があるのは、同じ薬を二度出さないためです。別の病院で同じ成分の薬をもらっていることは、本人も忘れます。忘れたまま飲むと、量が倍になります。そして飲んでいる本人は、二度もらったことに気づきません。
名簿全体は見せられないけれど、自分の分だけは本人が知っている必要がある。この形を作るために、紙の手帳が一冊ずつ配られています。
当日の朝に六人
イベントの運営を手伝ってくれる人を募りました。七人集まりました。
当日の朝、受付に立つはずの人が来ていません。名簿を見ると、その人の名前が二行あります。
一度登録したあと、数日後に登録したか自信がなくなってもう一度登録していました。二行目には別の担当が入っていて、本人はそちらを覚えていた。
七人だと思っていたのは六人でした。
MulmoTerminal は AI に頼んで作業させるための画面で、npx の一行で立ち上げてブラウザで開きます。道具自体は無料で、AI の使用量は自分の契約から引かれます。そこで作れる共有アプリは、リンクで人に渡せるアプリで、フォルダ一つがアプリ一つです。公開したあとは自分のパソコンが経路に入りません。
二重登録は、当日まで分からない
起きたときに何も表示されません。
名簿には七行あるので、正しく見えます。本人も登録したと思っています。仕事も二つ分埋まっているので、空きが無いように見えます。
気づくのは当日の朝です。同じ薬を二度飲んでいることに気づかないのと、同じ形です。
自分はもう登録したかに答えるのが、難しい
これを防ぐには、登録しようとした人にあなたはもう登録済みです、担当は受付ですと返せばいい。
単純そうですが、実は難しいところです。
登録した人には、名簿全体が見えません。他の六人の名前と連絡先を、手伝ってくれる人全員に見せるわけにはいかないので。
その状態で、自分は登録済みかに答える必要があります。名簿を見せずに、自分の状態だけを答える。お薬手帳がやっていることです。
これができていないと、どちらかになります。登録済みなのに登録フォームが出て、もう一度登録する。あるいは登録していないのにあなたの担当が出て、混乱する。
AI に頼むときに、ここを言い忘れる
運営スタッフの募集と割り振りを作ってと頼むと、登録フォームと仕事の一覧はできます。
でも登録済みの人が開いたときの扱いは、言わないと入りません。
入っていないことは、自分で試さないと分かりません。一度登録して、もう一度開いてみる。それをやらないと気づけない。
登録してから、仕事を取る
この形は二段になっています。まず名簿に登録して、それから空いている仕事を取ります。
二段なのは、仕事を取る人が誰か分かっている必要があるからです。受付は誰がやるのかが空欄では意味がありません。
共有アプリのこの形は、自分はもう登録したかにきちんと答える例として作られています。名簿を見せずに自分の状態を返す、という部分が最初から入っていて、自分で書く必要がありません。
運営する側の画面は別にある
こちらが見る画面には、名簿の全員と、空いている仕事が出ます。手伝ってくれる人に見えるものとは違います。
手伝う人には、自分の登録と自分の担当。こちらには、全員と全部の仕事。
この分かれ方を決めているのはページのコードではないので、ページを読み返して確かめる必要がありません。手伝ってくれた人に他の六人の連絡先が見えることは、起きない部分です。
薬局の棚と、患者の手帳の関係と同じです。
仕事を取るときも、数えていない
受付は一人を守るのも、数えてはいません。二人が同時に受付を選んでも、片方だけが取れます。
ここも自分で書いていない部分なので、間違えようがありません。
頼み方
勉強会の運営スタッフの募集と割り振り。 まず名前と連絡先で登録してもらって、 そのあと「受付」「撮影」「懇親会の準備」から選べるようにして。 1つの仕事は1人で、埋まったら選べないようにしたい。
まず登録して、そのあと選ぶが入っていれば、この形になります。
副産物として、連絡先が集まる
登録が必要な形にすると、連絡先が手に入ります。前日に一斉に連絡できて、変更を伝えられて、次回も声をかけられます。
本来の目的ではありませんが、実際にはこちらのほうが役に立つことがあります。
逆に言うと、連絡先が要らないなら別の形でいいということです。誰でも自由に取っていいなら、登録は邪魔になります。
進捗は、別に作る
作業ボードだけだと、進捗が書けません。
受付の準備はどこまで進んだか、当日の引き継ぎといったものは、書き足していく記録のほうが向いています。
用途が二つあるなら、アプリを二つ作るのが素直です。一つに全部詰めると、どちらも読みにくくなります。フォルダを二つ作るだけなので、迷ったら分けます。
社内向けなら公開ページを作らない
運営スタッフの名簿には、個人の連絡先が入ります。
公開ページを作らなければ、名簿に載せた人しか開けません。声をかけた人だけが見られる形にできます。
公開するが、必ずインターネットに出すを意味しません。
使ってみる
MulmoTerminal は、次の一行で立ち上がります。ターミナル(Windows なら PowerShell、Mac ならターミナル)を開いて、そのまま貼り付けます。
npx mulmoterminal@latest
ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功です。インストールという作業はありません。npx はその場で取ってきて動かすだけなので、合わなければ閉じるだけで終わります。止めるときは、打ったターミナルで Ctrl + C を押します。そのターミナルが分からなくなったら npx mulmoterminal@latest stop です。
動かない場合、足りないものは次の二つのどちらかです。
| 確かめ方 | 無ければ | |
|---|---|---|
| Node.js 22.12 以上 | node -v |
nodejs.org/ja/download の LTS。入れたらターミナルを閉じて開き直す |
| Claude Code | claude --version |
macOS は curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash、Windows は irm https://claude.ai/install.ps1 | iex。そのあと claude でログイン |
Claude Code は、AI をターミナルから使うためのコマンドです。使うには Claude の有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)か API のアカウントが必要で、無料プランには含まれていません。MulmoTerminal 自体は無料で、AI の使用量はその契約から引かれます。
新しい空のフォルダを一つ作ります。デスクトップでいいです。名前は何でもかまいません。
MulmoTerminal の空いているマスをクリックして、上のタブで Claude を選び、WORKING DIRECTORY にそのフォルダのパスを入れて、右の再生ボタンを押します。

開いた画面に、欲しいものを普通の言葉で打ちます。
勉強会の運営スタッフの募集と割り振り。 まず名前と連絡先で登録してもらって、 そのあと「受付」「撮影」「懇親会の準備」から選べるようにして。 1つの仕事は1人で、埋まったら選べないようにしたい。
公開する前に自分で見ます。そのマスでコレクションのパネルを開いて、ヘッダーの Previews を押すと、公開サイトと同じものが動きます。
そこで四つ確かめます。データが出ているか。読み込み中で止まっていないか。送信すると確認が出て、入っている値が正しいか。わざと変な値を入れて、断られるか。そして仕上がって見えるか。
よければ公開してと頼みます。リンクが返ってきます。
自分で一回登録して、同じリンクをもう一度開きます。登録済みですと出て、登録フォームが出なければ成功です。これが二重登録を防ぎます。
外に出したくないものなら、公開ページは作らないでと先に言っておきます。そうすると、名簿に載せた人しか開けません。
やめたくなったら、同じマスでこのアプリの公開をやめてと頼みます。リンクが開けなくなります。集まったデータを消すなら、レコードを全部消してと頼みます。消すと戻らないので、先に画面で中身を見て、必要なら書き出してから頼んでください。
まとめ
お薬手帳は、名簿全体を見せずに自分の分だけを本人に知らせるための一冊です。それが無いと、同じ薬が二度出ます。
運営スタッフの名簿も同じで、他の人の連絡先は見せられないけれど、自分が登録済みかは本人に返す必要があります。返せないと二重登録が起きて、気づくのは当日の朝です。
AI に頼むときは、登録済みの人が開いたときの扱いを言い忘れやすい部分です。一度登録して、もう一度開いて確かめます。
