Claude Code や Codex を複数体並列で動かす、と考えて最初に手が伸びるのが tmux です。無料・ネイティブ・SSH 下でも軽い。既にインストール済みの人も多い。
ただ、エージェントを並列で動かし始めると、tmux だけでは答えられない問いが出てきます。
- 6 ペインのうち、どれが止まって自分を待っているか
- どのペインが入力待ちで、どのペインがまだ考えているか
- 席を立っている間に、どれが完了したか
makeと違って、エージェントはこちらを呼ぶ。でも tmux は呼ばない
MulmoTerminal は、この層を足します。tmux は裏で使い続けるので、既存の tmux 知識は無駄になりません。
tmux がやってくれること
tmux は、質問してこないターミナルのために作られています。
makeは黙って終わり、tail -fは流れ続ける- どちらもユーザを呼びません
- セッション永続化は tmux の中心機能。SSH が切れても再接続できる
- ペイン分割はキーバインドで即座にできる
セッション永続化と分割そのものは、今でも tmux がベストの選択肢です。MulmoTerminal も裏で tmux を使っています。
tmux の限界 — エージェントは呼ぶ
Claude Code や Codex は、質問してこない道具ではありません。
- 「このコマンドを実行していい?」の 許可待ち
- 「どちらの実装にする?」の 質問待ち
- 「エラーが出た、どうする?」の 判断待ち
6 ペイン開いているうち、どのペインが呼んでいるかを tmux は伝えません。これは tmux の欠陥ではなく、そういう問いが存在しなかったからです。1990 年代に書かれたソフトウェアに、2025 年のユースケースを求めるのは無理があります。
実際にやると、こうなります:
- ペインを順に見に行く → 6 ペイン分で数十秒
- 気づかずに AI を 20 分放置 → 完了していたが席にいなかった
- スマホに通知を飛ばしたいが、tmux からは出せない
make-sessionで初期化しても、どのペインに何を頼んだかは覚えておく必要
MulmoTerminal が足すもの — tmux の上に
MulmoTerminal は tmux を裏側で使います。見える部分だけが違います。

状態が色で分かる
- 青 → 作業中
- 琥珀 → あなたを待っている(許可待ち・質問待ち)
- 緑リング → 完了(レビュー待ち)
- アイドル → 消灯
文字を読まなくても、光っているセルに行くだけ。6 ペインを順に覗きに行く必要がありません。
通知音が鳴る
完了・入力待ちで通知音が鳴ります。6 種類のサウンドから選べて、イベントごとに別の音を割り当てられます(Run セル成功/失敗、セッション終了、PR の CI 落ちなど)。
スマホに Web Push
席を立っていても、スマホに通知が飛びます。スマホから直接返事もできます。tmux にはこの経路はありません(頑張れば curl で自作可能ですが、安定運用までは遠い)。
セッション永続化は tmux のまま
これが大事な点です。MulmoTerminal は tmux の中にセッションを置くので、ブラウザを閉じてもサーバを再起動してもセッションは生きます。tmux の attach と同じ挙動です。
git worktree で並列隔離
tmux で複数ペインを開いても、同じフォルダに入れば AI 同士がファイルを踏みます。MulmoTerminal は起動フォームでタスクごとに git worktree を切るので、別ブランチ・別フォルダで独立します。
tmux ユーザが乗り換えるときに気になる点
既存の tmux セッションはどうなる?
残ります。MulmoTerminal は自分専用の tmux ソケットを使うので、あなたが別に開いている tmux セッションには干渉しません。
SSH 越しで使える?
MulmoTerminal 自体はブラウザが要るので、SSH で CLI だけという環境では使えません。ただし、RemoteHost 経由でスマホのブラウザからも開けるので、SSH しかない開発サーバに Chrome Remote Desktop や Tailscale 経由で接続する運用は可能です。
本当に TUI だけで完結させたい場合は、Claude Squad のほうが向きます(別記事で詳細比較予定)。
キーバインドは tmux と同じ?
独自です。tmux の C-b プレフィックスは MulmoTerminal 内では効きません。ただしセル内のターミナルの中では tmux のキーが普通に効くので、Vim や Emacs を使う人はそちらは変わりません。
どちらを使うべきか
| 作業 | 使うもの |
|---|---|
make test や tail -f app.log を並行で開く |
tmux のまま |
| 1 体の Claude Code / Codex に伴走する | tmux + 任意のエディタ |
| 複数エージェントを並列監督し、状態を把握したい | MulmoTerminal |
| 席を立っていても通知を受け取りたい | MulmoTerminal |
| スマホから進捗を見て答える | MulmoTerminal |
| SSH しかない環境で軽量に完結させたい | tmux + Claude Squad |
試す — 1 行で起動
npx mulmoterminal@latest
ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功。必要なもの:
- Node.js 22.12 以上
- Claude Code CLI
- tmux(推奨 — セッション永続化のため)
- git(並列隔離を試す場合)
tmux がすでに入っていれば、MulmoTerminal は何も追加しなくても動きます。
詳細は MulmoTerminal 完全ガイド か、公式ドキュメントの getting-started へ。
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Singularity Society はテクノロジー集団として、MulmoClaude / MulmoCast / MulmoTerminal を同時に開発し、エンジニア・起業家向けの実践プログラム BootCamp を運営しています。



