VS Code の Claude Code 拡張(公式)は、1 体のエージェントをエディタに統合する体験として優秀です。差分がインラインで出て、変更をステップごとに受け入れられる。
ただ、Claude Code を 3-5 体並列で動かし始めると、別の問題が立ち上がります。
- ウィンドウを 3 枚開くと、エディタ本体 × 言語サーバ × 拡張機能が 一式ずつ 増える
- メモリが足りなくなる
- どのウィンドウで何を頼んだか、タイトルバーだけでは分からない
- 席を立って戻ったとき、どれが止まっているか目視で判別できない
MulmoTerminal は、この層を独立させる道具です。VS Code を置き換えるのではなく、「どのエージェントが止まっているか」を伝える層を外に出す という発想です。
VS Code の Claude Code 拡張の強み
- IDE に統合されている — 変更が差分で見える
- Cmd+K / Cmd+I で選択部分をその場で編集できる
- 言語サーバの型情報と連携して、安全な補完が効く
- 既存の
~/.claude/設定・CLAUDE.md・hooks・MCP サーバーが VS Code からも効く
1 体のエージェントに伴走して 1 ファイルを書き進める 用途では、VS Code 拡張の体験は変える必要がありません。
限界 — 複数ウィンドウでエージェントを並列化すると辛い
Claude Code を 3 体並列で動かそうとして、VS Code のウィンドウを 3 枚開く。
これで動くことは動きます。ただ:
- メモリ: VS Code は 1 ウィンドウにつき 1〜2 GB 使う。3 枚で 4 GB、5 枚で 7 GB
- 言語サーバの重複: TypeScript Language Server が 3 プロセス立ち上がる
- タブの迷子: どのウィンドウで何を頼んだか、
Cmd+Tabで切り替えても即座に分からない - 状態の不明: 3 ウィンドウ中、どれが入力待ちで止まっているかは、1 枚ずつ覗きに行くしかない
Claude Code の並列化は、エディタのウィンドウを増やす仕組みを前提には設計されていません。
MulmoTerminal の立ち位置
MulmoTerminal は、Claude Code や Codex をブラウザのグリッド UI で並列に動かすコックピットです。1 ウィンドウ最大 9 セル、あふれるとページ(タブ)が増えます。

エディタ本体を増やさない
MulmoTerminal はサーバー側のプロセスとして claude / codex を立ち上げます。UI はブラウザのタブです。1 セッション追加するのに言語サーバもエディタも増えません。
実際の使い勝手:
- 3 体並列: ブラウザタブ 1 枚、メモリ数百 MB
- 席を立って戻る: ブラウザを見れば色でわかる
- Mac で VS Code 1 枚 + MulmoTerminal 1 タブ: ちょうどいい
既存の VS Code 設定を触らない
これが大きい。MulmoTerminal は ~/.claude/ の設定、CLAUDE.md、hooks、MCP サーバーをそのまま使います。VS Code 側の設定は 1 行も変えません。
- VS Code は 1 体に伴走する用(補完・差分レビュー)
- MulmoTerminal は複数体を監督する用(グリッド・通知・worktree)
両方を同時に開けます。同じ claude セッションを VS Code からも MulmoTerminal からも resume できます(トランスクリプトはディスク上の同じファイル)。
git worktree で安全に並列
複数エージェントが同じリポジトリに入ると、ファイルを踏みます。MulmoTerminal は起動フォームでタスクごとに git worktree を切るので、別ブランチ・別フォルダで独立します。1 つの worktree に 2 体は起動できません。
VS Code 複数ウィンドウで同じことをやるには、git worktree add を手で打ち、ウィンドウを別フォルダで開き、どれがどの worktree か自分で覚えておく必要があります。
どちらを使うべきか
両方使うのが現実的な答えです。
| 作業 | 使うもの |
|---|---|
| 1 ファイルを編集しながら Claude Code に相談する | VS Code 拡張 |
| 差分レビューと stage/unstage を細かくやる | VS Code |
| 複数の Claude Code / Codex セッションを並列監督する | MulmoTerminal |
| issue から自動で worktree を作って作業させる | MulmoTerminal |
| 席を立つけどエージェントを止めたくない | MulmoTerminal |
| スマホから進捗を見て答える | MulmoTerminal |
乗り換えで困らないか
MulmoTerminal は 既存の Claude Code / Codex セッションを resume できます。ディスク上のトランスクリプト(~/.claude/projects/、~/.codex/sessions/)を直接読むので、VS Code で始めたセッションも MulmoTerminal 側で再開できます。
- 既存の
CLAUDE.md、hooks、MCP サーバー、権限設定はそのまま効く npx mulmoterminal@latestで起動する一時プロセス、合わなければ閉じるだけ- VS Code の設定は 1 行も変わらない
試す — 1 行で起動
npx mulmoterminal@latest
ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功です。必要なもの:
- Node.js 22.12 以上
- Claude Code CLI
- tmux(推奨 — サーバを再起動してもセッションが残る)
- git(並列隔離を試す場合)
詳細は MulmoTerminal 完全ガイド か、公式ドキュメント へ。
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Singularity Society はテクノロジー集団として、MulmoClaude / MulmoCast / MulmoTerminal を同時に開発しています。エンジニア・起業家向けの実践プログラム BootCamp も運営しています。


