自分用に続けていた記録を、他の人も書き込める形に開くことがあります。読書会のメンバーに見せたら、みんなで書けるようにできないかと聞かれる。社内で使っていたノートを、チームで使いたいと言われる。
このとき、データの形も画面も作り直す必要はありません。中の仕組みはそのままで、変わるのは書く人と置き場所だけです。
ただし他人に開くと、決めることが二つ増えます。この記事では先にその二つを説明します。
また最初から作るのかで止まる
読んだ本の記録を、自分用に作って半年使っています。
最初は書名と著者だけでした。読み終わった日も入れたい、評価も付けたい、表紙を並べて見たいと、使いながら足していきました。いまはかなり自分に合っています。
そこで読書会のメンバーに見せたら、こう言われます。それ、みんなで書けるようにできない。
ここで気が重くなります。半年かけて足してきたもので、項目の並びも画面の作りも、何度も直してようやく使いやすくなりました。それを他の人が書ける形で作り直すのは、同じことをもう一度やることになります。
作り直す必要はありません
結論を先に書きます。自分用の記録と、人に渡せる共有アプリは、中の仕組みが同じものです。
違うのは次の二つだけです。
- 他の人も書けるか
- 公開された URL があるか
| 自分用の記録 | 人に渡せるアプリ | |
|---|---|---|
| データの形と画面 | ある | ある(同じ仕組み) |
| 他の人が書ける | ない | ある |
| 公開された URL | ない | ある |
| データの置き場所 | 自分のパソコン | クラウド |
上の二行が同じなので、知識も作ったものも引き継げます。項目を足して、この順で並べて、この画面も作ってという指示は、どちらでもそのまま通じます。
二つの道具の関係
MulmoClaude は、AI と会話しながら使う自分専用のアプリ置き場です。管理したいことを普通の言葉で言うと、項目から画面まで AI が作ります。これをコレクションと呼びます。
MulmoTerminal は、AI に頼んで作業させるための画面です。npx の一行で立ち上げてブラウザで開きます。そこで作れる共有アプリは、リンクで人に渡せるアプリで、公開したあとは自分のパソコンが経路に入りません。
別の製品ですが、記録の入れ方も扱う道具も同じです。共有アプリが足しているのは、名簿と立場と、データが自分のディスクではなくクラウドにあることです。
他人に開くと、決めることが二つ増える
同じ仕組みでも、他人が入ると考えることが増えます。
一つめは、誰に何が見えるかです。
自分用なら、全部自分のものです。他の人が入ると、選ぶことになります。全員が全部読めるか。自分が書いた分だけ見えるか。読めるが自分の担当だけ書けるか。
中身が同じでも、用途で答えが変わります。読書会の本のリストは全員が読めたほうがいい。読書会の出欠は自分の分だけでいい。同じグループの話なのに、答えが逆になります。
二つめは、公開ページを作るかどうかです。
作らなければ、名簿に載せた人しか開けません。読書会の六人だけで使うなら、これが正しい形になります。リンクを知られても開けません。
作った場合は、押した瞬間から知らない人の前にあります。
他の人に開くは、必ずしもインターネットに出すを意味しません。社内で共有するのと、全世界に公開するのは別の話です。
他の人がどう作っているかを、先に読める
もう一つ、仕組みが同じことの利点があります。
公開されているコレクションを読めます。MulmoClaude の中で一覧を開くと、公開されているものが出てきて、ボタン一つで自分の環境に入ります。
GitHub 上にあるので、取り込む前に中身を読めます。何が入っているか分からないものを、自分の環境に入れなくて済みます。
いま四つ公開されています。カメラのレンズ図鑑、映画リスト、気象庁の天気予報板、上京の転居先を比べる台帳です。
どう作ればいいかは、動いているものを読むのが一番早い方法になります。
段取り
自分用から始めるのが結果的に速くなります。
まず自分用として使ってみて、項目が足りるか、画面が読めるかを自分で確かめます。他の人に書いてほしくなったら、そう言います。これを他の人にも入力してもらえるようにしたい。そのうえで、誰に何が見えるかを決めて、公開ページを作るかを決めて、手元で確かめてから公開します。
最初の自分で使うを飛ばさないほうがよいです。自分で使って不便なものは、他の人はもっと使いません。
その段階では公開していないので、何を間違えても誰にも影響しません。安全に試せる段階です。
逆に戻すこともできる
共有アプリにしたあと、これは自分用で良かったと思うこともあります。
データの形と画面はそのままなので、自分用として使い続けられます。どちらに転んでも作ったものが無駄になりません。
共有をやめて手元のコレクションに戻しても、同じ仕組みの上で動きます。これが、同じ土台に乗っていることの一番実用的な意味です。
使ってみる
MulmoTerminal は、次の一行で立ち上がります。ターミナル(Windows なら PowerShell、Mac ならターミナル)を開いて、そのまま貼り付けます。
npx mulmoterminal@latest
ブラウザが開いて http://localhost:34567 が表示されれば成功です。インストールという作業はありません。npx はその場で取ってきて動かすだけなので、合わなければ閉じるだけで終わります。止めるときは、打ったターミナルで Ctrl + C を押します。そのターミナルが分からなくなったら npx mulmoterminal@latest stop です。
動かない場合、足りないものは次の二つのどちらかです。
| 確かめ方 | 無ければ | |
|---|---|---|
| Node.js 22.12 以上 | node -v |
nodejs.org/ja/download の LTS。入れたらターミナルを閉じて開き直す |
| Claude Code | claude --version |
macOS は curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash、Windows は irm https://claude.ai/install.ps1 | iex。そのあと claude でログイン |
Claude Code は、AI をターミナルから使うためのコマンドです。使うには Claude の有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)か API のアカウントが必要で、無料プランには含まれていません。MulmoTerminal 自体は無料で、AI の使用量はその契約から引かれます。
新しい空のフォルダを一つ作ります。デスクトップでいいです。名前は何でもかまいません。
MulmoTerminal の空いているマスをクリックして、上のタブで Claude を選び、WORKING DIRECTORY にそのフォルダのパスを入れて、右の再生ボタンを押します。

すでにコレクションを持っているなら、開いた画面にこう打ちます。
これを他の人にも入力してもらえるようにしたい。 全員が全部読める形で。
まだ持っていないなら、先に一つ作ります。別の記事に飛ぶ必要はありません。
npx mulmoclaude@latest
ブラウザで http://localhost:3001 が開いたら、チャットの欄にこう打ちます。
読んだ本を記録したい。書名と著者と読了日と評価。
Collections に増えていれば、それが出発点になります。何行か入れてから、上の他の人にも入力してもらえるようにに進んでください。
MulmoClaude も npx の一行で、入れる作業はありません。要るものは Node.js 22.19 以上と Claude Code の二つで、確かめ方も入れ方も MulmoTerminal と同じです。
公開する前に自分で見ます。そのマスでコレクションのパネルを開いて、ヘッダーの Previews を押すと、公開サイトと同じものが動きます。
そこで四つ確かめます。データが出ているか。読み込み中で止まっていないか。送信すると確認が出て、入っている値が正しいか。わざと変な値を入れて、断られるか。そして仕上がって見えるか。
よければ公開してと頼みます。リンクが返ってきます。
自分以外の端末、スマホでいいです、でリンクを開いて、一件書き込めれば成功です。
外に出したくないものなら、公開ページは作らないでと先に言っておきます。そうすると、名簿に載せた人しか開けません。
やめたくなったら、同じマスでこのアプリの公開をやめてと頼みます。リンクが開けなくなります。集まったデータを消すなら、レコードを全部消してと頼みます。消すと戻らないので、先に画面で中身を見て、必要なら書き出してから頼んでください。
まとめ
自分用のコレクションを共有アプリに移すとき、データの形と画面はそのまま土台になります。半年かけて整えたものが無駄になりません。
増えるのは二つの判断だけです。誰に何が見えるか。公開ページを作るか。そして自分用のうちは公開していないので、何を間違えても誰にも影響しません。
