帝国化する企業と民主主義の末路

プロサッカー選手、本田圭佑さんの「本田圭佑、成長中毒者のトップ・オブ・エンジニアを募集します」の記事より

(以下要約)

(世界中の)誰もが夢を追い続けられる世界を創る

上手く成功させようとか上手く稼げる方法とかって思考からスタートしていて目先の欲求に目が眩んでた … これまでのように自分が信じる美学を突き進むことが最も大事なのに。

夢を追い続けれない理由は大きく2つに分けることができます。

  1. お金がない。
  2. 能力がない。

能力がない。というのは要するに、夢や目標に対して自分自身で届かないと判断して諦めてしまう人達のこと。

夢や目標を持つ全ての人が抱える努力の方法が分からない。継続できない(妥協してしまう)という課題を本気で解決しようと思います。

世界中の人が楽しく努力を継続する世界を創り、「成長革命」を感じてもらいたい。僕らのサービスはスキルシェアプラットホームと見られるかもしれませんが、解決しようとしている課題が明らかに他のサービスとは違うので、NowDoとしては新しい文化を作るという壮大な挑戦になると思ってます。

仲間に求めるバリュー(価値観)
・誠実で素直であること
・失敗を恐れず挑戦すること
・生涯学び続けること
・仲間は何があっても裏切らないこと

最近は、お金じゃない価値観で人を伸ばしていくという方向に世の中動きはじめています。20世紀までの価値観と社会の仕組みを変えるフェーズになりつつあります。IT革命の今後は、ITによる効率化とか、そんなレベルではないと思います。

産業革命が社会のあり方を根底から変えたように、労働の方法や意味を変え、それが結果として消費経済や資本主義、民主主義を成立させました。それに匹敵するレベルの変革があるはずです。

まさに21世紀は生きるための労働から開放されて、真に自分がしたいことをして生きていける世の中への変化となるでしょう。

それが「Singularity」の本質では無いでしょうか!?

そのため、どんどんGAFAのような企業が帝国化していけば良いと思っています。GoogleやFacebookのような広告企業にとっては広告のために無料のサービスを展開しますが、Web広告が頭打ちになった後、広告モデルやデータ収集の目的で無料のMaaS、無料の住宅まで提供するようになります。

すべてがGAFAに飲み込まれ、一時的に失業がぐっと増えますが、そうするとGAFAの売上も下がるので、そのために無料提供のサービスを増やしたり、GAFA通貨を無料で配るようになります。国家を支援することもあるでしょう。最終的に、GAFAが世界を支配する!

…..しかし、GAFAに支配されている思ったら、実はGAFAが国民の奴隷になって、様々なサービスや物資を無料で配っているいるというSF的な世界。

彼らは政府などの、どの機関よりも頭がよく、合理的で富士山も動かせるので、こういった世界も十分に作ることが可能です。

実際に、Amazon がすでにそんな存在になりつつあります。Amazon が特定の国の小売市場の20%とか30%に絡む時代は、数年後に確実にやってくると確信しており、その時にはあまりにも力を持ちすぎていて、その立場を利用して搾取することは出来なくなっているだろうと思うし、Bezos 氏もそんなことは望んでいないと思います。

Google も検索ビジネスで稼ぎ続けることが出来る限り(ここには若干の疑問がありますが)、FirebaseやFlutterやTensorFlow のような良質なソフトウェア/サービス・インフラを、湯水のような安い値段で提供し続けることが出来るので、これもとても面白い存在です。

Microsoft も Office 365 の Recurring Revenue を得られる限りは、いくらでも他のサービスを付加価値サービスとして提供しても大丈夫なビジネスモデルなので、これも凄いことになるポテンシャルを持っています。

つまり、この3社に関しては「Amazon Prime、検索、Office 365」という「税金」のようなものを彼らに払い続ける限りは、彼らが提供する IT サービスの恩恵を受けることが出来るという、ある意味での「バーチャル国家」が出来つつあると考えても良く、ロボット、機械学習が高度に発展していくと、エネルギー、資源問題さえクリアできれば、人が生きていく活動において労働をする必要性は無くなっていくと考えられます。

特にシンギュラリティは、仕事を奪われることだというネガティブなキャンペーンがなされているので、そうではなく、労働からの開放だとキャンペーンする必要があります。

「人間性の復権」です!

しかし、1つ心配なのが、政治や官僚システムが思いっきり周回遅れなことです。国家は今後も変わらないまま衰退していき、GAFAのような国家をも超越した超帝国が勢力を伸ばしていきます。それが落ち着くまでは軋轢があるでしょう。それまでの間に、トランプ大統領と安倍総理が何をしでかすががとても心配です。

国家は人や会社を制限する権力や他国との紛争をする権力を持っているので、暴走は怖い。戦争はパルプンテなので、それを望む(ように思い込んでいる)国民がいることも心配です。ヨーロッパの国々は、GAFAから税金を取るための色んな工夫をしてくると思います。

お金は国家が使うより、超帝国の企業が自己に再投資したほうが世の中が未来へ進むので、税金問題も難しいです。国家はお金吸い上げても、未来への投資へはほとんど使われていない。さらに、極右と極左の政権が各国で生まれ、そして、GAFAのような「持つもの」が目の敵にされて票集めに使われるようになる。スマホが使えて、どこでもコンテンツを見えるようになったのはGAFAのおかげで、その恩恵をうけているのに目の敵にするのはおかしいと思いますが、票集めには仮想敵国が必要です。

しかし、GAFAを分割しても、目の敵にしても、起業家やエンジニアはまた新しい会社やサービスを作って、よりよいものを提供し、社会を前へ前へと進めていきます。場合によっては、彼らは法規制のない国に移動することもあります。そのときに受け皿となる国があれば、そこはチャンスです。

既存の国家がどんな形で崩壊するのかはとても重要で、第二次世界大戦の時の日本やドイツのような崩壊はして欲しくないです。その場合、国民への犠牲が多く出てしまいます。

その中で、エストニアは面白い立ち位置にありますが、ロシアに近いので、地政学的リスクがあります。カリフォルニアに変わる次の中心都市、どこになるのか?今までの法則でいくと、西に移動するのでアジアのどこかという可能性も高いです。Elon Musk が火星に国を作り、そこに皆で国籍だけ移すというのは面白いかも知れません!

日本の会社を経営しながら、税金逃れのためにシンガポールに国籍を移した人もたくさんいます。相続でもそうです。経営者やノマドにとって、税金や国家という枠組みは、仕組みとしてあわなくなってきています。仕事の仕方にしても、もう仮想空間だけで成り立つことが増えてきましたから。

ちなみに、知り合いの日本の方に、節税だけのために、米国のグリーンカードを捨てて、5年ほど前に香港に移住した人がいます。お金がないのも大変ですが、お金を持っている人も大変ですね。シンガポールは独裁政権ですし、香港も政治的にどうなるかわからないので、将来的にはどうなるかなと思います。

グローバル企業の節税手法もすごいです。彼らは節税をするために各国の税務に精通したエリートを雇い、グローバルで最も税金が少なくなる方法を絶えず研究しています。

Double Irish arrangement - Wikipedia

Double Irish arrangement
The Double Irish is a base erosion and profit shifting (“BEPS”) corporate tax tool, used mostly by US multinationals since the late 1980s, to avoid corporate taxation on most non–U.S. profits. It is the largest tax avoidance tool in history and by 2010, was shielding US$100 billion annually in US multinational foreign profits from taxation, and was the main tool by which US multinationals built up untaxed offshore reserves of US$1 trillion from 2004 to 2018. Traditionally, it was also used with the Dutch Sandwich BEPS tool; however, changes to Irish tax law in 2010 dispensed with this requirement for most users.
Despite US knowledge about the Double Irish for a decade, it was the EU who force…

こういう国家のバグをみつけて節税を考える人はすごいです。民主主義だって、トランプ大統領が生まれる時代だから、まったく当てになりません。だから、AIに政治をやらせるのが良いという結論になるのでしょう。

しかし、AIに政治をやらせる場合、そのAIの教育データを誰が用意するのでしょうか?営利企業に任せたら、必ず自分のビジネスに有利になる政策を作るAIが出来るようにデータを食わせるでしょうから。最初はオープンに、開発者、AI研究者と共に哲学者、政治学者などなどが管理しているが、あるときに変なデータを入れられる。

このことを考えるだけで、SF映画が1本撮れそうな話です。

そこで……。

自分に不都合なAIが出来た場合は、データにまで遡って、データを叩き落とすようにすれば良いので、既存の深層学習の延長で十分可能ですね。自分に都合の良いAIが出来るようにデータを加工することを、「教育データ・マニピュレーション」と呼ぶ時代がくるかもしれません!


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